“漫画家”矢部太郎が明かす変わった家族 カラテカへの思いも吐露「解散してません」
お笑い芸人で、「大家さんと僕」など漫画家としても活躍中の矢部太郎さんが、幼少期の父親との思い出を描いた新作「ぼくのお父さん」(新潮社)が好評だ。絵本・紙芝居作家でいつも家にいて、仕事も私生活もマイペース、わが道を行く父との日々を「一つの幸せの形」としてほのぼのと描いている。そこには「今の僕があるのはお父さんのおかげ」というように、漫画家「矢部太郎」ができるまでの秘密も明らかにされている。
「ぼくのお父さん」ではマイペースな父親との日常を紹介
お笑い芸人で、「大家さんと僕」など漫画家としても活躍中の矢部太郎さんが、幼少期の父親との思い出を描いた新作「ぼくのお父さん」(新潮社)が好評だ。絵本・紙芝居作家でいつも家にいて、仕事も私生活もマイペース、わが道を行く父との日々を「一つの幸せの形」としてほのぼのと描いている。そこには「今の僕があるのはお父さんのおかげ」というように、漫画家「矢部太郎」ができるまでの秘密も明らかにされている。(取材・文=倉野武)
矢部さん一家は、東京・多摩地区で父・やべみつのりさんと母、姉との4人暮らし。家で仕事をする父に代わり、母が外に働きに出るなど、当時としては変わった家族だった。変わっているのはそれだけではない。
“三輪の自転車に乗り、車を買わない理由を「みんな一緒じゃつまらないじゃない」(実は免許を失効していた)”
“物を捨てずに大切にする生活に「この世にごみなんてない、ごみだと思うからごみになる」(母は「ごみは、ごみよー!!」と一喝)”
“太郎と命名したのは「僕の絵本に登場してほしくて」(出たことは一度もない)”
“遊園地の流れるプールで「これは流されるプールだ、僕は流されない」(と泳がず迷子になる)”
“仕事の「気晴らし」と称して畑仕事をはじめ、すっかり「畑の人」になる(原稿を受け取りに来た編集者に、「作品」としてとれた野菜を渡す)”
漫画で描かれる、みつのりさんの逸話の数々だ。
「これを読んで、『変な人だな』と自分で言っていました」と笑う矢部さんだが、当初、みつのりさんから「『大家さんと僕』の後は『お父さんと僕』を描いたら?」と言われたときは「ハイハイ」と流していたという。気が変わったのは、お父さんが送ってきた「たろうノート」を見てからだった。