くも膜下出血は「40~65歳の男女に起きやすい」 予防法や兆候を専門家が解説
遺伝、高血圧、ストレスに注意! 予防法は?
原因は高血圧と遺伝の要素が大きいというから、親やきょうだいがくも膜下出血を経験した人は要注意だ。もともと血管がぜい弱で動脈瘤ができやすい上に血圧の高い人が、仕事などで強いストレスを受けて血管が破れるケースが少なくない。
事故を起こした運転手は年に2回、健康診断を受けることを義務付けられており、7月の検診では異常が見つからなかったそうだが……。
「くも膜下出血の原因である動脈瘤を普通の健康診断で見つけるのは不可能。脳外科か神経内科でMRIやCT検査を受けないと発見できません。これまで経験したことのない激しい頭痛を感じたら専門医を受診してください」(米山氏)
発作が起きる際の前兆は突然の頭痛やめまい、血圧の激しい上昇・下降などだ。頭痛は「警告頭痛」と呼ばれ、人によって程度に差がある。脳の内部で動脈瘤が動眼神経を圧迫した場合は目に異常が起きる。物が二重に見えたり視力が低下したり、まぶたが下がって動かなくなるといった症状だ。このほか吐き気や意識低下、頭の中がモヤモヤした感覚もくも膜下出血のサインである。
困ったことにこうした前兆は我慢しているうちに治ってしまい、ホッとしていたら数日後に大きな発作を起こすこともある。くも膜下出血の知識が乏しい医師の診察を受けて痛み止めの薬をもらい、帰宅後に倒れて死亡したケースもあるという。甘く見ていたら取り返しのつかない事態になるのだ。
予防法はあるのか。
「高血圧の人は薬で血圧を下げ、ストレスを回避すること。食事は塩分を制限し、青魚など魚介類がお勧めです。タバコは絶対にいけません。お酒も危険だと考えてください」(米山氏)
頭の中で異様なことが起きていると感じたら、すぐに専門医の診察を受けたり、救急車を呼んだりしたほうがいい。無理をしてクルマの運転を続けたら、他人を巻き込む大惨事を引き起こしかねない。