【Producers TODAY】コロナ禍の映画宣伝は“発想の転換” 女性客減少、海外キャスト来日中止の中での試行錯誤
キャストの来日イベント中止が一番痛い
――ところで観客動員はどのような状況ですか?
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「コロナ禍になってから女性の客層は減少傾向です。女性は一人よりも連れ立って劇場に行く方が多い。コロナ禍で誘いづらい状況になっているため、映画館に足を運んでくださる女性客が減っているのではと考えています。ただ、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』などのアクション映画は男性客が比較的多く、一人で劇場に来る方も多いので、『白頭山大噴火』もかなりの手応えを感じています」
――コロナ禍の中、宣伝方法はどのように変化しましたか?
「普段ならマスコミ試写を何度も行って記者さんやライターさんの反応を探ったり、良い作品だと口コミで面白さが広がっていきますが、コロナ禍で思うようにいかない、ということはありますね。一番痛いのはキャストを日本に呼べないこと。特にイ・ビョンホンさんは毎年ファンミーティングのため来日していたのですが、コロナで中断。来日してくれれば舞台あいさつやイベントを開催し、大勢のマスコミの方やファンに集まってもらって情報を拡散することができるのですが、それもできない状態です。実は『白頭山大噴火』は昨年公開予定だったのですが、コロナ禍が始まったので1年延期しました。1年後なら状況は変わるだろうと予想したのですが、まったく変わっていませんでした」
日本の自然災害を感じてもらえる新しいアプローチ
――それでどういう工夫をしましたか?
「割り切りが必要だと思い、発想を変えてみました。“大噴火”は日本でもあり得ることですから映画『日本沈没』(1973年)に主演した藤岡弘、さんのコメント、さらには防災アドバイザーの高荷智也さん、京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・名誉教授の鎌田浩毅さんら識者の方からコメントをいただいてメディア広報するなど、日本の自然災害を身近に感じてもらえるような新しいアプローチを試してみました」
――YouTubeで公開した「白頭山大噴火」のオールドバージョン予告編も興味深いです。
「レトロな雰囲気がしたと思いますが、これは映画『日本沈没』をオマージュしました。10月からはTBS日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』がスタートするので、それも念頭に置いています。コロナ禍がいつ収束するのかまだ見通せませんが、SNSなどをフル利用しながらどうしたら新しい宣伝の形を作っていけるか、知恵を絞っていきたいと思います」
□松本作、1974年生まれ。大学卒業後、宣伝会社に入社。その後、いくつかの配給会社に所属し今に至る。「トガニ~幼き瞳の告発~」「王になった男」「神と共に」シリーズなど韓国映画を中心に宣伝を担当。