何でもありだがなぜかハマる グレート・サスケは世界中のプロレスファンを魅了

「マスター」いや「メシア」サスケは、どこに向かう?

 思えば、1990年にインディ団体、ユニバーサルプロレスでデビューし、93年にみちのくプロレスを旗揚げしたものの、まだまだ東北地方区限定感が強かった。それが94年に新日本プロレスで開催された「スーパーJrカップ」で準優勝し、一気に全国区に躍り出て注目度も高まった。翌95年には再び新日本マットでジュニア8冠王者となり、その座を不動のものとしている。

 捨て身の空中弾はまさに恐れ知らず。ファンの度肝を抜くダイブは自爆も多く、そのダメージは甚大で何度も死にかけているはず。大けがに見舞われ、欠場に追い込まれても、復帰すれば何事もなかったかのように、再び飛びまくる。

「翼がある」と思わせる選手は、何人かいるが、サスケのそれは「悪魔の翼」としか考えられない。悪魔に魂を捧げたからこそ、危険をもろともせずに跳べるのだろう。不死身の体を手に入れたのだろうか。悪魔なのかメシアなのか、不思議なサスケワールドに引き込まれてしまう。

 リング上ではデビル・サスケだが、会場を離れれば気配りのできる優しい男だ。パーティ会場などで、顔を合わせると「お元気ですか?」と柔和に声をかけてくれる。マスクの下の目が、いよいよ優しくなる。話題も豊富で、サスケとのトークバトルは楽しい限り。

 とはいえ、今年、何度棺おけ葬にされただろうか。一体「マスター」いや「メシア」サスケは、どこに向かっているのか? 答えが出そうな12月17日の宇宙大戦争(後楽園ホール)が、今から気になってたまらない。

次のページへ (3/3) 【写真】棺おけに入ったグレート・サスケの姿
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