何でもありだがなぜかハマる グレート・サスケは世界中のプロレスファンを魅了
「サスケ」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。忍者・猿飛佐助か、テレビのスポーツ特番か。プロレスファンならば、もちろんザ・グレート・サスケだろう。
映画上映と合わせて試合、異例尽くしの大会終了「込み上げて来るものがありました」
「サスケ」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。忍者・猿飛佐助か、テレビのスポーツ特番か。プロレスファンならば、もちろんザ・グレート・サスケだろう。
「聖地」東京・後楽園ホールで「マスター」ザ・グレート・サスケが、サスケらしさをまたまた大爆発させ、集結したみちのくプロレスのファンを翻弄(ほんろう)した。
「ザ・グレート・サスケ31周年記念大会~サスケ例大祭~」(10日)では、まずはサスケの生前葬と相成った。ホールの北側には祭壇が設けられ、棺おけが置かれた。中にはサスケ。
まずはファン、そして選手たちが焼香に臨んだ。しめやかに出棺の儀となったが、選手たちが棺おけに手を掛けると、サスケが棺桶のフタをぶち破って登場。「サスケ! サスケ!」と叫びながら大盛り上がりで退場していった。
前にも見たような光景だが、何度でもよみがえるサスケ。不死身だ。「マスター」は、もはや「メシア(救世主)」なのかもしれない。
いきなりサスケワールドという底なし沼に落とされたファンを待っていたのは、ドキュメンタリー映画「THE GREAT SASUKE」の上映。2016年にアメリカで公開された作品をベースに、最近の情報も追加された新バージョンだった。
後楽園ホールで約70分の映画が上映されたのは、初めてのこと。03年の岩手県議会議員選挙を覆面姿で戦い抜き、すったもんだの末にマスクを被ったまま岩手県議会議員として活動するなど「史上初」が大好きなサスケだ。
この日のファイトは、新崎人生、スペル・デルフィンとトリオを結成し、ディック東郷、MEN’Sテイオー、TAKAみちのく組との6人タッグマッチに出陣。「~歴史はここにあり~」のタイトル通りの組み合わせで、注目が集まった。そのメンツに、過ぎ去りし日々の思いを抱いて感慨深く見守るファンも大勢いた。
実際に期待を上回る展開となったが、バラモン兄弟と「ミニ・マスター」プリティ太田が乱入し、ノーコンテスト。いささか、不完全燃焼に終わってしまった。しかもバラモン兄弟に「オイ、サスケ! お前、なに勝手に生き返っているんだよ。それによ、お前、後楽園ホールは映画館じゃないんだよね。ここの客、何を見に来たのか、分かんないじゃねーかよ。お前の奇跡なんて、ぜぇ~んぶインチキなんだよ!」とズバリ指摘される始末。
激怒したサスケがプリティに襲いかかったが、返り討ちに遭い再び棺おけに叩き込まれてしまった。
異例尽くしの大会は終了したが、後日、サスケからコメントが届いた。「大会終了後はノーコメントで大変失礼いたしました。申し訳ございませんでした。心より深くお詫び申し上げます」とまずは丁寧なごあいさつ。
続いて「コロナ禍の折、私の例大祭で生前葬、映画上映と合わせて試合、という前代未聞な私の31周年大会にご来場いただきまして誠にありがとうございました! リング上でメインの選手達を見た瞬間、映画同様、込み上げて来るものがありました」と続けた。
そして「それにしてもバラモン兄弟のブチ壊し、頭に来ました! 今年の宇宙大戦争は彼らとの対決になりそうですね!」と、ちゃっかりアピールも忘れなかったのはサスケ…いや、サスガだ。