「カノキレ」に元局女子アナがもう1人出演 「今日、社長に会わせて」から始まった女優道
「真剣に好きな仕事に取り組んでいる小松麻利奈になり切りました」
そして、5月から収録に参加。「ザ・モスト」編集部の空間で、中島、小芝、赤楚衛二ら豪華な共演者に、山田は、自分からは「元局アナ」と話すことはなかったという。
「宇垣さんがキー局出身で、フリーアナウンサーとしても活躍されていることは知られていますが、私は特に知られた存在ではないですし、自分で言うこともないかと……」
だが、ある共演者からは「桃ちゃん、前はアナウンサーだったのね」と声を掛けられていた。「もう、感激でした。私のことにまで関心を持っていただき、調べていただいて」。会話を交わす中、山田が「どうすれば、長くこの仕事をできますか」と質問すると、「目の前のことを一つ一つ、丁寧にやっていくしかないよね」と返されたという。
「その言葉がスーッと体の中に入ってきました。これからも、こうした場ですてきな方々とお仕事をするには、自分もすてきになるしかないと思いました」
山田にとって、「全てが楽しくて、幸せな時間」になった同作の収録は8月末に終了。14日の最終話は一部生放送が決定しているが、山田は自宅で見るつもりだ。
「せりふは多くはなかったですが、真剣に好きな仕事に取り組んでいる小松麻利奈になり切りました。スタジオに入る前から感情を作り、副編集長(中島)が編集部員の前で謝罪するシーンでは、リハの段階から泣いていました。両親は喜び、静岡でお世話なった方々からも『毎回、見ているよ』と連絡をもらい、うれしかったです。最終話は驚きの展開もあります。私のことも含めて見逃さないでください」
覚悟を決め、アナウンサーから女優に転じた30歳は、4年目で大きな一歩を踏み出した。今は、「次のチャンス」を待つ日々。地道な努力が報われていくことを信じ、今日もレッスンを受けにいく。
□山田桃子(やまだ・ももこ)1991年4月1日、神奈川県横須賀市生まれ。学習院女子大国際文化交流学部国際コミュニケーション学科卒。在学中にファッション雑誌「Ray」の専属読者モデルとして活動し、2013年4月、Daiichi-TVにアナウンサーとして入社。情報バラエティー番組「まるごと」のリポーター、PR番組「ももコレ」などを担当した。18年3月末に同社を退社。同年4月から女優活動をスタートし、フジテレビ系「痛快TVスカッとジャパン」の再現ドラマ、テレビ東京系「警視庁ゼロ~THIRD SEASON」に出演。20年以降は、TBS系連続ドラマ「病室で念仏を唱えないでください」、映画「キスカム!」などに出演。158センチ。血液型O。