「この業界に入る前、小学校の時から見ていた大スターです。栄一の慶喜に対する尊敬と、僕が草なぎさんに感じている尊敬が、ちょっと形が違うかもしれませんが、リンクしているかもという気がします。役者としてもいろんな作品を見させてもらっていますので、すごい人だと思っていました。憧れというか、その関係性が自然と出ればいいと思いながらやっています」

　昨年7月にクランクインしたが、当初は「僕の中で新しい扉が開いている」と語っていた。今はどうだろう。

「刺激はすごいです。話が進むにつれて、関わる人物がどんどん変わり、栄一の年齢も上がっていき、成長していく。それに合わせて僕自身も成長しないといけない。クオリティーの高いことを求められているというか、その中で、毎日、全力でやらないと、という意識は変わらないです」

　明治編の栄一の見どころも紹介してくれた。

「栄一は大人になったという印象がすると思います。ただ無邪気だった少年がこんなに大人になったかという、さみしさを感じていただける気がします。栄一は最後まで生き延びた人。周りのいろんなスターからいろんな物を受け継いで、バトンをもらって最後まで生き延びたからいろいろなことをやれた人。周りの人が先に亡くなって行く中で、生き延びた人たちのさみしさも伝わればいいなと」

　最後にこの先、どんな気持ちで成功者の栄一を演じるのかを語った。

「栄一の人物像がより人間らしく、より生々しくなっていくのかなという気がします。その辺はやっていて楽しいです」