eスポーツにも「ステップアップできる仕組み」が必要 ウイイレプロゲーマーが見る現在地

日本で屈指の知名度を誇るサッカーゲーム「ウイニングイレブン」(略称:ウイイレ)は、今秋に「eFootball」へと名称を変えて新たなステージを迎える。タイトルが転機を迎え、eスポーツとしての盛り上がりも期待されている。プロゲーミングチーム「SCARZ」所属で、選手兼インフルエンサーとして横浜F・マリノスeスポーツから「ウイイレ」大会とイベントに出場・出演するKaraageは、競技シーンをけん引する選手の一人だ。いかにして国民的タイトルのプロ選手になり、どのような思いを持って最前線で戦い続けているのか、さまざまな角度から話を聞いた。

「ウイイレ」プロ選手として活躍するKaraage
「ウイイレ」プロ選手として活躍するKaraage

プロゲーミングチーム「SCARZ」所属のKaraage ウイイレは学生時代からほぼ負け知らず

 日本で屈指の知名度を誇るサッカーゲーム「ウイニングイレブン」(略称:ウイイレ)は、今秋に「eFootball」へと名称を変えて新たなステージを迎える。タイトルが転機を迎え、eスポーツとしての盛り上がりも期待されている。プロゲーミングチーム「SCARZ」所属で、選手兼インフルエンサーとして横浜F・マリノスeスポーツから「ウイイレ」大会とイベントに出場・出演するKaraageは、競技シーンをけん引する選手の一人だ。いかにして国民的タイトルのプロ選手になり、どのような思いを持って最前線で戦い続けているのか、さまざまな角度から話を聞いた。(取材・文=片村光博)

 世間一般での「ウイイレ」のイメージは、友人と楽しむカジュアルな対戦ゲームというものだろう。その「ウイイレ」を舞台に、Karaageは「ウイイレ」のトッププレイヤーとして活躍し、日本代表となった経験もある。ゲームとの出会いは、やはり多くの人々と同じような形だったという。

「ゲーム自体は小さい頃から好きで、小学生のときからスーパーファミコンなどをやっていました。その後、中学校、高校では部活でサッカーをやっていたので、周りにもサッカー好きが多かったんです。友人がウイニングイレブンを持っていて、家に遊びに行ってプレイしていたというのが、ウイニングイレブンとの出会いです」

 友人の家で遊ぶだけだったものの、当時から周囲ではほぼ負け知らず。他のゲームと比べても「得意なんだな」と特別な感覚を持っていた。そして高校3年生での部活の引退、大学進学と生活が変化していく中で、大きなきっかけとなったのがPlayStation 3の購入と、何よりもオンライン対戦を知ったことだった。

「オンラインでウイニングイレブンを楽しむようになり、友人以上に高いレベルの相手と戦うことが増えました。なかなか勝てないのですが、だからこそ面白くて真剣に取り組むようになったんです。『こんなに強い人たちがいるんだな』と実感し、私も負けず嫌いなところがあるので、『勝つために練習したい!』と熱が入った感じですね。対戦の要素があるもの、人と競うものとなると、気軽に始めようと思っても、勝つまでやりたくなるんです」

 強者との対戦を通じて実力をさらに磨き上げ、大会にも出場を重ねた。実績を積み上げていった一方、当初からプロ参入を目指していたわけではない。それでも、ゲームの競技的な取り組むを継続する中で、「ウイイレ」が持つ可能性も感じ取っていたという。

「ある程度継続してプレイしてきて、『ウイニングイレブンは面白いし、ゲームが浸透したときにこれだけ分かりやすいタイトルは珍しいな』と思っていましたし、eスポーツ界で影響力のあるタイトルになる可能性は感じていました。まだウイニングイレブンのプロ化の話がない時期から、“近い将来に可能性があるのではないか”という期待があり、モチベーションにもなっていましたね。

 そして、2017年頃には日本一を決める大会で優勝したり、テレビのeスポーツ番組に出演して優勝したりと、ウイニングイレブンをやっていない方の目にも留まるような実績を出せました。そのときに現所属のSCARZから『ウイニングイレブンの競技シーンに注目している。まだ部門はないが、ぜひ新規選手として入り、一緒に盛り上げていければ』と連絡をいただいたんです。まさに自分のビジョンと合致しており、プロになることで役割を担えると思ったので、二つ返事で『よろしくお願いします』と返答しました」

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