「映画も料理も真剣勝負」和の鉄人、黒木純が「孤狼の血 LEVEL2」出演で体感したこと

日本料理「くろぎ」(東京都港区)の主人で、フジテレビ人気料理番組「アイアンシェフ」の出演でも知られる“和の鉄人”、黒木(くろぎ)純さん(43)が映画「孤狼の血 LEVEL2」(公開中、白石和彌監督)でスクリーンデビューを飾った。名優・中村梅雀の相手役として広島弁も披露。初の映画出演で感じた料理との共通点とは?

スクリーンデビューした黒木純さん【写真:ENCOUNT編集部】
スクリーンデビューした黒木純さん【写真:ENCOUNT編集部】

初の映画出演、名優・中村梅雀の相手役として広島弁も披露

 日本料理「くろぎ」(東京都港区)の主人で、フジテレビ人気料理番組「アイアンシェフ」の出演でも知られる“和の鉄人”、黒木(くろぎ)純さん(43)が映画「孤狼の血 LEVEL2」(公開中、白石和彌監督)でスクリーンデビューを飾った。名優・中村梅雀の相手役として広島弁も披露。初の映画出演で感じた料理との共通点とは?(取材・文=平辻哲也)

「孤狼の血 LEVEL2」は広島を舞台に、暴力団の抗争と若き刑事の姿を描いた18年の公開作の続編。黒木さんは、店の常連客だった映画の出資者から声をかけられ、すぐさま手を挙げ、昨秋、店を休んでロケ先の広島に駆けつけた。登場するのは、物語の終盤。松坂桃李演じる日岡刑事の相棒となった刑事(中村梅雀)の麻雀の相手役を演じた。

 多数のテレビ出演もある黒木さんだが、映画独特の空気には緊張したという。「テレビとは違って、映画は一生残るじゃないですか。それに、やっぱり、すごい大御所の方とご一緒でしたし、しかも、せりふが広島弁。地元の方から厳しい指導を受けたんですが、本番のOKカットでも、『イントネーションが違う、お前だけ、東京でアフレコをせえ』と怒られてしまいました」と笑って振り返る。

 撮影は梅雀のクランクアップの日。現場には、梅雀をねぎらおうと、出番のなかった松坂桃李、鈴木亮平らキャスト陣も駆けつけた。「撮影の前に、鈴木亮平君たちが僕の隣に座ってくれましたし、撮影中は(ジャーナリストの)丸山ゴンザレスさんとご一緒でした。僕は丸山さんが大好きだったので、嬉しくて自分から話しかけたりもしました。終わったら、鈴木亮平君、松坂桃李君が外でモニターを見ていたことも知って、さらに緊張しました」。

 松坂と中村獅童が共演するナイトロケ、西野七瀬演じるスナックママが住んでいるという設定の平屋にも訪問。「美術の作り込みが本当にすごいんです。映画の設定は90年頃ですが、僕はちょうど子供だった。当時、こういう家はたくさんあったなという懐かしさもありましたね。まるで、観光ツアーの合間に映画に出させていたという感じだったのですが、すごく感銘を受けました」。

 映画の現場には料理人との共通点も感じたという。「映画も料理も真剣勝負ですよね。僕らも料理人を演じているところがあるんです。食材は毎回違いますし、自分が追求したい料理を毎回出すわけでもないんです。それだと、玄人受けになってしまい、お客さんを呼ぶことはできません。僕らは、まず、お客さんが喜ぶことを最優先に考えます。接客でも、カウンターの顔ぶれを見て、どう喜んでもらおうかなと考えますし、与えられた役を一生懸命こなすのは映画も同じかなと感じました」。

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