クイーン 史上最大規模のジャパンツアーがスタート!日本ならではの構成に大興奮
アダム・ランバートの存在感
そして、そんななかでやはり目を引いたのは、フロントマンを務めるアダム・ランバートの歌唱とパフォーマンスの素晴らしさだ。公演の序盤、彼は「みんなフレディのことは好き? 僕も大好きなんだ。だから僕らは同じ。今夜は一緒にフレディを祝福しよう」といった言葉を客席に投げ掛けていたが、フレディを真似するのでもなければ、自らの持ち味を必要以上に強調しようとするのでもなく、あくまで各楽曲の物語性やイメージに忠実に、なおかつその世界観をわかりやすく体現してみせた彼のパフォーマーとしての素晴らしさは、まさにこれから先も語り継がれていくべきものといえるだろう。ブライアンは彼を“gift from god(神からの贈りもの)”と紹介していたが、いわばクイーンはアダムにチャンスをもたらし、アダムはこのバンドに新たな可能性をもたらしたのである。
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ショウは“RADIO GAGA”から“ボヘミアン・ラプソディ”へと連なっていく完璧な流れでクライマックスを迎え、アンコールでは“ウィ・ウィル・ロック・ユー”と“伝説のチャンピオン”が3万人を完全にひとつにした。2時間10分を超える、極上のひととき。この唯一無二の存在が、日本のオーディエンスの記憶に、また新たな伝説を刻み込んだ一夜だった。
なお、彼らは1月26日にも同会場で公演を実施。ツアー自体はこの先も京セラドーム大阪(28日)、ナゴヤドーム(30日)と続いていく。今後の公演の行方にも注目したいところだ。
取材/文:増田 勇一(音楽評論家)