【インタビュー】劇団4ドル50セント コラボ公演で魅せる私たちの色味
秋元康氏がプロデュースする劇団4ドル50セントと劇団「柿喰う客」のコラボ公演「学芸会レーベル/アセリ教育」が30日、東京・DDD青山クロスシアターで初日を迎える。学芸会レーベルは辺境の幼稚園、アセリ教育は都会の小学校を舞台に繰り広げられるコメディーだ。劇団4ドル50セントの前田悠雅(21)、岡田帆乃佳(23)、そして田代明(24)、隅田杏花(23)の4人がENCOUNT編集部の取材に応じ、公演の見どころと2020年の目標を語った。
「柿喰う客」との2作品同時上演「学芸会レーベル/アセリ教育」30日開幕
秋元康氏がプロデュースする劇団4ドル50セントと劇団「柿喰う客」のコラボ公演「学芸会レーベル/アセリ教育」が30日、東京・DDD青山クロスシアターで初日を迎える。学芸会レーベルは辺境の幼稚園、アセリ教育は都会の小学校を舞台に繰り広げられるコメディーだ。劇団4ドル50セントの前田悠雅(21)、岡田帆乃佳(23)、そして田代明(24)、隅田杏花(23)の4人がENCOUNT編集部の取材に応じ、公演の見どころと2020年の目標を語った。
ーーまず「学芸会レーベル」の見どころを教えてください。
田代「これはアセリ教育とも一緒なのかもしれないけど、すごい見ている方は『この人たちアホなことやってるな』と思われると思うんですよ。幼稚園を舞台にしたお話で、そこに伝説の女が帰ってくるというところからお話が始まるんですけど、ちょっと保育士が魔法みたいなこと使えたり、いろいろぶっ飛んでいる。あとすごく独特なしゃべり方をしているキャラクターがいたりしているんですけど、役者たちはいたって真面目に熱量を持ってお芝居しているっていうところが魅力だと思います」
前田「学芸会がテーマになっているんですけど、一般的に考えたら学芸会って楽しい行事じゃないですか。今回のお話の中では恐ろしい、禁断の行事と描かれていて、学芸会をやってしまうことでその世界にのめり込み過ぎた園児たちがそこの世界から出てこられなくなってしまう」
岡田「でも、寂しい園児が学芸会によって心が救われたとか、そういう話にもなってくるので、ファンタジーだけど現実にもつながるところあるし、今の世の中、寂しい人がいたらその人たちに見て欲しいなと思う作品です」
ーーどんな役をやりますか。
前田「私は『しょうこせんせい』と言って幼稚園の先生の役なんですけど、幼稚園の先生の中でも一番下っ端、新人の先生の役をやらせてもらいます。先生たちみんな個性的で、色味がある中、一般常識を常にずっと持っている冷静な先生の役です」
岡田「『えまちゃん』っていう幼稚園児の役なんですけど、江戸っ子口調の脱力系の幼稚園児です」
田代「私は『ふくえんちょうせんせい』っていう役で、歌をたくさん歌う役ですね。実際、私も音楽大学を卒業してオペラをやっていたので、私の魅力を演出の中屋敷(法仁)さんが引き出してくださったような素敵な役になっています」
ーー稽古中、お互いの演技をどのように見ていますか。
田代「前田がいるおかげで、この学芸会レーベルは成り立っていると言っても過言ではないと思います。しょうこせんせいがいることによって、この話が締まるし、お客さんに伝わりやすいものになっている。しかも前田がちゃんと一般人の常識的な立ち振る舞いをしてくれるから、ありがとうございますという感じです」
岡田「そんな田代は、歌が今回12曲あるんですけど、それにプラスアレンジを加えてくるんですよ。そこが本当に田代の魅力が存分に出ているし、すごいおしゃれな舞台になっているんです」
前田「えまちゃんは全然、幼稚園児じゃない幼稚園児の役なんですよ。台本見た時、『この子どういうこと?』って一番思った役柄だったんですけど、それを難なくこなしているのが岡田にしかできないところなんだろうなと思います」
ーー「アセリ教育」は舞台が都会の小学校です。
隅田「勉強できるヤツが偉いっていうすごい分かりやすいテーマのもと、たくさんのバカたちが出てきて、本当にバカなんですよ、言ってることが。でも、その子たちはそのバカを一生懸命生きてて、最後、前田演じる零っていう最強のバカがいるんですけど、その零がその勉強できるヤツが偉いっていう世界というか国家に歯向かうんですよ」
前田「最強の頭がいい人に対して、最強のバカがバカなりの考え方で歯向かったら結果、新しい答えが生まれる。でも、その新しい答えが人間が生きていく中で、一番実際大事だよなっていう、すごくぶっ飛んでいるコメディー作品なんですけど、人間の本質を見抜いているような暖かい作品でもあるところが見どころですね」
ーー稽古の様子を教えてください。
岡田「学芸会レーベルの時はマジで幼稚園に通っているぐらいの楽しさで、見てても楽しい。こんなに楽しい稽古場は初めてです」
前田「楽し過ぎるので、精神的な疲れはなかったんですけど、体力的に『はーっ』ってなった時はありました。台本を渡されてから3日とか4日とかの段階で『はい、じゃあ今日1回通します』と言われて、そのテンポがこれまでの4ドルの稽古場とは別で、すごく早かった」
ーー稽古を通じて発見はありましたか。
田代「柿喰う客の方々は最初から中屋敷さんがやりたいことを分かってそれを出せている感があった。4ドルはまだどう台本とコミュニケーション取ったらいいのか分からないみたいなのが最初はあったんですけど、今はおのおののやり方でついていけるようになっていっている。改めて4ドルのメンバーってすごい個性があって素敵なんだなっていうのをコラボしたことによって改めて気づけたので、初日までにどれだけ面白いものになれるんだろうなってワクワクしています」
隅田「今までが4ドルみんな横一列でよーいどんで始まった状況でやっていたので、いい意味でも悪い意味でも頑張り過ぎてたというか、ちゃんとやらなきゃってなってたのが、柿さんはキャリアも私たちより全然あって実力もある方たちなので、安心して何でも投げられる。負けたくない気持ちももちろんあるけど、でもそこはちょっと頼らせてもらって、久しぶりに演技することがすごく楽しいなって思えましたね」
ーーコラボ作品で劇団4ドル50セントの個性をどう発揮しますか。
岡田「田代の歌だったり、あと私たち4ドルの本公演でダンスもやらせてもらったりしていたから、エンタメ性で出せていけるんじゃないかなと思います」
前田「柿さんは10年以上劇団をやられていて、独特の色味みたいなのを感じるんですけど、そこを目の当たりにして、逆に4ドルって何だろって考えさせられている1か月間になっている。何かしらの色味が欲しいっていう欲というか、出したいなっていう願望みたいなのは芽生えましたね」