日本の夏をますます暑くする「王道トーナメント」が開幕 優勝争いは混とん【連載vol.55】
全日本プロレスの第8回王道トーナメントがいよいよ開幕(8月15日、東京・新宿フェイス)。今年は何と32選手が参加する文字通りのビッグイベントとなった。
やっと手にした王座が偶然の64代 元横綱との「縁を感じる」
全日本プロレスの第8回王道トーナメントがいよいよ開幕(8月15日、東京・新宿フェイス)。今年は何と32選手が参加する文字通りのビッグイベントとなった。
3冠王者のジェイク・リー、世界タッグ王者の宮原健斗、青柳優馬、世界ジュニア王者・SUGI、アジアタッグ王者・ゼウス、イザナギ、GAORA TV王者・石川修司、全日本プロレスTV認定6人タッグ王者のヨシタツ、立花誠吾と全日本プロレスのタイトルホルダー9人に、コロナからの完全復活を目指す諏訪魔ら全日勢を始め、2AWの吉田綾斗、大日本プロレスのアブドーラ・小林、GLEATのT-Hawkら他団体のエース級も名前を連ねている。
優勝候補筆頭は、いや優勝が使命なのが3冠王者ジェイクだろう。6・26東京・大田区大会で、3冠戦史上、初の巴戦による王座決定戦を勝ち抜き第64代王者に輝いた。コロナ禍で3冠挑戦が延期された上に、王者の諏訪魔がコロナ陽性で王座返上となるなど思わぬ事態に襲われたが、平常心で臨み待望のベルトを手にした。
「64代」と言えば、ヨコヅナこと曙。47代、52代3冠王の曙は、大相撲時代「64代横綱」だった。「やっと手にした王座が64代。全日本プロレスの偉大な先輩。縁を感じる」とキッパリ。全日本戦士からよく曙の話を聞くという。
曙は「綱を張ったり王座を守ることは、横綱に昇進したりベルト奪うことよりも、はるかに大変なこと。その座に安住し現状に満足してしまったら、長くは持たない。常に努力を重ねて成長を心掛けないとだめだ」と、頂点に立つ者の心得を熱く説いていた。その教えを自分の胸に刻み込むジェイクである。
3冠王者でありながら、トーナメント1回戦から参戦するのは、リスクも大きいが「勝ち上がっていくのが、当然のこと」と、王者の責任もがっちりと受け止めている。死角は見当たらない。
とはいえ、実力者に加え、多くのくせ者がエントリーしている。一瞬たりとも気が抜けない。