なぜ野球と離れた経営コンサルの道へ? 森本稀哲が語る新時代のセカンドキャリア
2015年の現役引退後、野球解説者として活動する傍ら、企業向けの講演会を多数行う森本稀哲氏。多くの元プロ野球選手が芸能プロダクションに所属するなか、あえて経営コンサルティング会社にマネジメントを依頼、経営やビジネスを学び唯一無二のセカンドキャリアを築いている。なぜ、一見野球とは離れたビジネスの道へ踏み出したのか。森本氏に聞いた。
現在は野球解説の他、企業に向けた講演会を年間40~50回も行っている
2015年の現役引退後、野球解説者として活動する傍ら、企業向けの講演会を多数行う森本稀哲氏。多くの元プロ野球選手が芸能プロダクションに所属するなか、あえて経営コンサルティング会社にマネジメントを依頼、経営やビジネスを学び唯一無二のセカンドキャリアを築いている。なぜ、一見野球とは離れたビジネスの道へ踏み出したのか。森本氏に聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)
野球選手って、何も決まらず辞める選手が大半。僕も引退してしばらくは「17年間が終わったな……」という感じで、次に何をしようか、何ができるかは考えてもいなかった。ただ、野球が終わってからも何かでもう一花咲かせたいなという思いはあって。プロ野球選手のセカンドキャリアってやっぱり悲惨なイメージがあって、それを打開していきたいなという思いはありましたね。
経営に興味を持ったのは、それまで野球しかしてこなくて、まずは世の中の流れがどうなってるのか知りたいという思いがあったから。引退後すぐに飲食店を経営する選手もいますが、有名人がオーナーだからというだけでそうそううまくはいかないだろうという感覚もあって。意外と堅実派だったんですね(笑)。
芸能プロダクションではなく、経営コンサルティングの会社とマネジメント契約を結んだのは、いわゆるタレントとしてテレビの仕事だけで勝負していく自信がなかったから。現役時代から付き合いのあった経営コンサルの社長さんに声をかけていただいて、僕自身の経験を広く伝えていくべきだとアドバイスをいただいたことで、当時所属していた経営コンサルティングの会社と契約しました。芸能界だけでなくビジネス界隈の人脈も築けたことは、僕にとっての強みになってます。
現在は解説の仕事のほか、企業に向けた講演会を年間40~50回行っています。内容は主に、僕がプロ野球選手としてなぜ成功できたか、なぜ成功できなかったかを、感性や我流ではなく、ちゃんと言語化して伝えるというもの。それを企業経営にどう生かすかは僕の口から言うことではないですが、最近やっと知識として、野球とビジネスの共通点も見えてきました。
たとえば、野球選手もビジネスマンも結果がすべてなので、打席に立ったときに頑張ろうとしますが、大事なのは打席に立つまでにどれだけ準備してきたかですよね? 結果が出るのは打席でも、勝負はその前の準備でついてる。野球選手の準備段階の努力は、あらゆる業種の中でも群を抜いてると思います。