五輪盛況もテレビ局が抱く危機感 「大谷レベルでないと」スポーツ番組、打ち切り続々?
メダルラッシュに沸いた東京五輪も閉幕。民放テレビ各局のスポーツ報道は今後、どうなっていくのか。現在、スポーツを専門に扱う番組は、各局とも週末深夜に放送中。その一方、日々のスポーツニュースは報道番組のスポーツコーナーで放送されているが、スポーツ局を取り巻く環境は厳しく、今後は報道局に吸収合併され、部署自体が実質的に消滅する可能性もあるという。
スポーツ局が報道局に吸収合併され、部署自体が実質的に消滅する流れも
メダルラッシュに沸いた東京五輪も閉幕。民放テレビ各局のスポーツ報道は今後、どうなっていくのか。現在、スポーツを専門に扱う番組は、各局とも週末深夜に放送中。その一方、日々のスポーツニュースは報道番組のスポーツコーナーで放送されているが、スポーツ局を取り巻く環境は厳しく、今後は報道局に吸収合併され、部署自体が実質的に消滅する可能性もあるという。
「端的に言って経費削減です。どこの局もスポーツの方が報道、バラエティー、ドラマ、情報番組より優先順位は下。数年前から言われていたことですが、“東京五輪までは……”という流れは変わりません。今後はスポーツ番組自体が打ち切りになる可能性も高い。各局足並みをそろえてということはなくとも、他局の様子を見つつ各局が追随はすることは考えられます」(民放関係者)
もちろん、仮にスポーツ局がなくなっても報道番組のスポーツコーナーがなくなることはないが、必然的に報道量は減り、ゆくゆくはスポーツ界全体から活気が失われていく可能性は否めない。
「番組の主導権が握れなくなると、尺がもらえなくなったり、積極的な発信はしづらくなっていくでしょうね。よほどのスター、今でいう大谷翔平選手レベルの活躍でないと、ニュース番組では扱われない。選手の露出が減るとスターが生まれづらくなるという悪循環です」
スポーツ局再編の流れは各局の局内事情によるところが大きいが、根底には視聴者のスポーツに対する見方もあると前出の関係者は指摘する。
「今回の五輪も盛り上がったといえば盛り上がったかもしれないが、ここ最近はずっと熱しやすく冷めやすい風潮。旬といわれる人でも、流行語大賞や紅白の審査員に選ばれたりという時期が過ぎたらもう話題にならない印象です。普段のリーグ戦を見るのは一部のファンだけで、大多数は4年に1度の五輪やW杯だけ盛り上がるというのが日本人のスポーツの楽しみ方。これではなかなかスポーツ界は盛り上がりませんよ」
アスリートから大きな感動をもらった今だからこそ、スポーツの持つ熱を絶やさずに応援を続けたいところだ。