祖父に緒形拳さん、父に緒形直人…3世・緒形りょうが歩む芸能生活「自分自身で生きていきたい」
緒形拳さんがゲゲゲの鬼太郎に出演した理由「孫に自分の作品を見てもらいたくて」
――華々しいご家族ですが、どのような幼少期を過ごされましたか。
「ごく一般的です。外食が多いわけでもなく、毎日、母の手料理です。普通って言ったら変ですが、不自由もなく、ちゃんと育ててくれました。母の得意料理は肉じゃがです。毎日いろんなものを作ってくれましたね」
――ご両親が活躍されていたのを意識したのはいつごろからでしょうか。
「僕がアメリカにいるときに『64-ロクヨン-』(2016年)という映画が公開されました。そこで初めて、父がこんなにもすごい方々と共演する俳優なんだと思いました。それまでは出演作を見たことがなかったので、何をやっている人なんだろう? サラリーマンなのかな? と思っていました(笑)」
――ご家族の出演作はご覧になりますか。
「普段の父を知っているのであまり見ないですね。『64-ロクヨン-』や『万引き家族』(18年)など、最近の作品を見ることはありますが、昔の映画とかは少し照れくさい。母のは見るんですけどね。祖父のも見ますね。だけど、父のは見ない。仲は良いのですが、仲が良いからこそ、見ないです(笑)」
――おじいさまが活躍していたというイメージはありましたか。
「無かったですね。無かったのですが、実家に毎週、家族で集まるときに本当にオーラがハンパなくて……。オーラっていう言葉も知らない頃ですが、めっちゃ光って見えるんですよ。それが本当に不思議で。なんであんな感じなんだろう? って思っていたんです。会うときに感情が複雑でした。怖いのかな? でも優しい。どういう人なんだろう? って思っていました」
――インスタでも命日にメッセージを贈られていました。おじいちゃんっ子でしたか?
「そうですね。毎週会ってはいたのですが、お仕事などで会えないときは、手紙交換をしていましたね。いい思い出です」
――硬派なイメージがありますが、素顔はおじいちゃんですね。
「そうですね。孫に自分の作品を見てもらいたくて、最後にゲゲゲの鬼太郎(『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』/08年、映画遺作)に参加したと聞きました。孫思いのおじいちゃんでした」
――お兄さまもアメリカ留学をしていた。影響を受けたのでしょうか。
「それが、僕が最初に留学行きたいと言っていたのに先に行かれてしまったんですよ! 周りからは『兄の影響?』と言われるんですけど、違います!(笑) だからこそ先に芸能活動を始めていることが悔しかったです。先とか後とかってことではないのですが、つい負けず嫌いが出てしまいますね。仲は良いですけど、ライバルって感じです!」