【欧州車紀行・最終回】5日間、1000キロの車旅の最後は“モネの家”で最高の庭を満喫!
パリ市内に入る直前にナビが機能不全に…!
ちょうど昼時。目の前にあるレストランで、僕はまた飽きもせずにムール貝を、ゆっちゃんはオムレツ、白ワイン、それからシードルをいただいた。お腹を満たした後はモネ通りの村はずれにある教会に向かい、ここにあるモネのお墓で手を合わせた。
近くにある「ジヴェルニー印象派美術館」にはモネの習作っぽい絵が1枚だけ展示されていた。オンフルールのホテルはモネも宿泊したホテルだった。ブーダンはモネの師匠筋の人でブーダン美術館にもモネの絵があった。“モネの庭”に2日間――丸ごとモネのドライブ旅行となった。
午後2時過ぎ。一路、パリへ。果たしてたどり着けるか。
契約書に書いてある住所をナビに入力、パリではポルト・マイヨで高速を降りることにしよう。ナビによれば目的地までは70キロ、所要70分と出る。午後3時半には到着予定だ。
A13を通ってパリに向かうが、なぜかまたまた畑の一本道が延々と。パリまで十数キロ付近で、満タン返しなのでガソリンスタンドに寄った。この北仏旅で給油は2度目だ。
もうすぐ、パリ市内という地点で再び、不測の事態。順調だったナビが高速を出る3つ手前で機能不全になった。なんで! こんなことってあるんだという見本である。
「市内へは逆からパッシー、ドフィンヌ、次がポルト・マイヨ。ゆっくり運転して」
慌てずに運転したら、何とか無事にポルト・マイヨで降りることができた。ホッと胸をなで下ろしながら工事中らしき辺りを走っていたら、シャンゼリゼの反対側の通りになんとなく出た。見覚えがある通りを走っていると、Hertzのオフィスが見えてきた。
「OK、無事、帰還!」
到着は午後3時50分。日本のナビなら、「運転お疲れ様でした。ここまでの所要時間は1時間40分でした」とアナウンスが聞こえるところ。走り始めからの距離は約1000キロだった。
早速、えっちゃんにLINE電話で「すんなり到着しちゃった」と連絡すると、「ブラボー、完璧!」。
カウンターでデポジットを破棄し、トータルの料金742ユーロ(約9万7175円)を改めてカードで精算。無事故、傷もなし。フランス北紀行は途中、いろいろあったけど、大成功でフィニッシュした。
フォード・C-MAX、ありがとう。
□峯田淳(みねた・あつし)1959年、山形県生まれ。埼玉大学教養学部卒。フリーランスを経て、89年、夕刊紙「日刊ゲンダイ」入社。芸能と公営競技の担当を兼任。芸能文化編集部長を経て編集委員。19年に退社しフリーに。著書に「日刊ゲンダイ」での連載をまとめた「おふくろメシ」(編著、TWJ、2017年)、全国の競輪場を回った「令和元年 競輪全43場 旅打ちグルメ放浪記」(徳間書店、2019年)など。