“ザ・マン”WWE女子王者ベッキー・リンチのルーツは「初代タイガーマスク」だった
世界最大のプロレス団体WWEが開催する年間最大の祭典「レッスルマニア」。今年は4月5日、フロリダ州タンパでおこなわれるが、祭典への道が本格的にスタートするのが、PPV「ロイヤルランブル」である。今年は1月26日テキサス州ヒューストンでの開催だ。この大舞台でロウ女子王座に挑戦するのが、日本人スーパースターの現女子タッグ王者アスカ(パートナーはカイリ・セイン)である。対するシングル王者は昨年の「レッスルマニア35」で史上初の女子同士による3WAYマッチを戦い、無敗のロンダ・ラウジーに土をつけベルトを奪ったベッキー・リンチ。そのとき獲得したロウ女子王座は現在もキープしており、アスカ戦を突破すれば「レッスルマニア36」まで1年間保持という大記録も見えてくる。
強い女になるため、日本のプロレスのVHSテープを見まくった
世界最大のプロレス団体WWEが開催する年間最大の祭典「レッスルマニア」。今年は4月5日、フロリダ州タンパでおこなわれるが、祭典への道が本格的にスタートするのが、PPV「ロイヤルランブル」である。今年は1月26日テキサス州ヒューストンでの開催だ。この大舞台でロウ女子王座に挑戦するのが、日本人スーパースターの現女子タッグ王者アスカ(パートナーはカイリ・セイン)である。対するシングル王者は昨年の「レッスルマニア35」で史上初の女子同士による3WAYマッチを戦い、無敗のロンダ・ラウジーに土をつけベルトを奪ったベッキー・リンチ。そのとき獲得したロウ女子王座は現在もキープしており、アスカ戦を突破すれば「レッスルマニア36」まで1年間保持という大記録も見えてくる。
昨年の「ロイヤルランブル」ではアスカがベッキーを退けスマックダウン女子王座を防衛。しかしその後の女子ランブル戦でベッキーが30人参加の最後にサプライズ登場(負傷しリングにたどり着けないラナの代わりとして)。シャーロット・フレアーを排除し、大逆転のランブル制覇をやってのけた。以来、トリプルHら首脳陣に楯突く姿にWWEユニバース(ファン)が共感。爆発的支持を得て、レッスルマニアのメイン出場&勝利への道が開けたのである。
では、WWEの歴史を変えた”ザ・マン(超雄)”ベッキー・リンチとはいったいどんな人物なのか。本欄では彼女の歴史を辿ってみたい。
アイルランド生まれのベッキーは、本名レベッカ・クイン。子どもの頃、兄の影響でテレビのプロレスにハマり、ハルク・ホーガン、アルティメット・ウォリアー、ランディ・サベージらのファンになった。ダブリン初のレスリングスクールに兄と一緒に通うようになったのは15歳のときで、女子の練習生は彼女ひとりだけだった。デビュー戦は2002年11月11日のNWAアイルランドのダブリン大会。男子選手に囲まれた8人参加のバトルロイヤルで以降、レベッカ・ノックスを名乗るようになった。おもに現フィン・ベイラーのプリンス・デヴィットや来日経験のあるポール・トレイシーから指導を受けた。
当時、スクール内でVHSを交換し合いプロレスを見まくった。そこに含まれていた日本の試合が彼女に大きな影響を与えたという。その映像とは1982年8月30日にニューヨーク・マジソンスクエアガーデンでおこなわれた「タイガーマスクVSダイナマイト・キッド」。彼女が生まれる前の映像だが、以来、日本のプロレスにも興味を抱くようになった。なかでも彼女のお気に入りの女子レスラーは吉田万里子や坂井澄江だ。