【欧州車紀行・北仏7】映画「史上最大の作戦」のオマハビーチとリンゴ産地らしさを満喫
2019年9月20日、ノルマンディーの街、バイユーに着いてすぐに、映画「史上最大の作戦」のオマハビーチに向かう。ホテルからの距離およそ20キロ。すれ違う車もあまりない田舎道を飛ばし気味に運転する。
またまた迷走! ナビの扱いに戸惑う
2019年9月20日、ノルマンディーの街、バイユーに着いてすぐに、映画「史上最大の作戦」のオマハビーチに向かう。ホテルからの距離およそ20キロ。すれ違う車もあまりない田舎道を飛ばし気味に運転する。
「ナビのディレクションをOmaha Beachにしたいけど、出ないね」
連れ合いの絵描きのゆっちゃんは「ビーチのどこかにアロマンシュ上陸博物館があるから、そこにしてみたら」と言う。
このとき、僕は後で気付いたのだが、ミスをやらかしてしまった。アロマンシュは左右何十キロもある長く伸びたオマハビーチの右側に位置し、今では観光化されたエリアである。しかも、ナビのアロマンシュの表示の中で、最初の方に表示された「ver sal mer(海側)」のエリアから選んでしまった。そこはオマハビーチの右の一番奥の遠いエリア、つまり端っこに行くことになってしまった。
ガイドブックなどのオマハビーチの説明を見ると、その前後に簡単に行けそうにいくつかのエリアが紹介されているので、ついオマハビーチが横に長い海岸であることを失念してしまった故のミスである。ビーチサンダルで出かけるような海岸と思い込んだ故の、あまりに稚拙な間違い。目的地を設定するときはエリアを確認し、最初にその地のメインの建物などの住所を間違えずに、入力することを心掛けるのが車旅の鉄則だ。
到着したver sal merでは、紺碧(こんぺき)の海の風にあたりながら、1軒だけあるレストランで遅いランチになった。食事をしていると、ゆっちゃんが僕の間違いに気付いた。
「ここはオマハビーチじゃないわ。やっぱり本物を見て帰りたい。フランスは第二次世界大戦でドイツに国を明け渡し、占領されるのね。でも、大戦末期に連合軍が北から攻めて奪回する、スペクタクルな戦場なの。ここはオマハから一番離れた、フランス軍が陣取ったところ。やっぱり海岸線を逆に、上って行ってみようよ」
ゆっちゃんはサーモンを食べ、シードルを飲んでいる。
「ノルマンディーはリンゴの産地だからどこに行ってもシードルね」
僕はbavette(バヴェット)という牛のステーキとポテト。bavetteはいわゆるハラミで、フランスではよく食べる部位のステーキらしい。しかしかみ応えがあって、うまいとは言い難い……。