俳優の鈴木福（17）が、仮面ライダー50周年・スーパー戦隊45作品目記念のダブルアニバーサリー映画「セイバー＋ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」（7月22日公開、田﨑竜太監督）で物語のカギを握る謎の少年役で出演した。同作はヒーローの誕生秘話に迫る内容。幼い時からの夢である仮面ライダーを演じることに一歩近づいた。（取材・文＝平辻哲也）

　フジテレビ系ドラマ「マルモのおきて」でブレークし、「妖怪人間ベム」や「コドモ警察」などのヒット作に出演するスーパー子役の鈴木福は高校2年生。表情に大人を感じさせる瞬間もあるが、その心は今も少年のままだ。

　仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズは3歳の時からの憧れの存在。「『仮面ライダー』は『仮面ライダー電王』（07年放送）から、『スーパー戦隊』は『獣拳戦隊ゲキレンジャー』（07年放送）から見始め、今も見続けています。だから、オファーにはびっくりしましたし、本当にうれしかったです。仮面ライダーの45周年のインタビューで、『出たい』と言っていたんですが、まさか、かなうなんて。東映さん的には『好きなことは知っていたけど、この役は僕がいいだろうと思っていた』と言ってくださったのが一番うれしかったです」と笑顔を満開にさせた。

　しかも、演じるのは、始まりの物語のカギを握る重要な役だ。「どんな役か言いたいんですけども、言えないのがもどかしいんですよ。ここ最近の映画を1回見直したり、見逃していたのを見たり、仮面ライダー1号の1話を見たり、石ノ森章太郎先生の漫画を読んだりして準備をしました」。

　5月に行った撮影は、興奮の連続だった。「5歳ぐらいの時に見た『侍戦隊シンケンジャー』のシンケングリーンが大好きだったんです。鈴木勝吾さんが（決めセリフの）『一筆奏上』と言って変身するところ、仮面ライダーゼロワンの変身も間近で見られました。自分の撮影後も残って、（『仮面ライダー電王』の怪人の）イマジンやオーナー役の石丸謙二郎さんにもお会いすることができました。記念写真もいっぱい撮りましたね。僕だけじゃなくて、いろんな方が撮っている。公私混同の部分もあるかもしれないけど、みなさん好きなんですね」。

　最新作は公開まで、その内容にはトップシークレットが多いが、いち早く完成作を見ることもできた。「自分が出ているので、このシーンは大丈夫かなという心配もあったんです。でも、自分が好きだった作品、特に思い入れが深い仮面ライダーやスーパー戦隊のキャラクターがメインになって、一つ一つがフィーチャーされるので、よりヒーローに対しての気持ちが強くなりました。50周年記念の45本の中でも、素晴らしい作品。一緒に見た母は『好きだった人なら誰でも感動する』と言っていましたが、本当にそうだなと思います。僕的には泣けるポイントが3つありました。クライマックス前と藤岡弘、さんのセリフ、そして、エンドロールです。こんな大好きな世界にいることが不思議でしたし、その中で、こんな重要な役をいただいたことに感動しました」。