【週末は女子プロレス♯7】女子版タイガーマスク、デビュー迫る “初代”が直々に送り出す
初代タイガー「彼女を観た瞬間、40年前を再現できると思いました」
ところが、対戦相手もまったく未定なこのカードが、一つの質問によって注目度が俄然アップすることになる。週刊プロレスの元編集長ターザン山本による一言がきっかけだ。
「新間さん、初代タイガーマスクの成功は、相手がダイナマイト・キッドであったことが一番大きい。タイガー・クイーンのデビュー戦は、相手が大きなウェートを占めていると思いますよぉぉ!」
確かにそうだ。あのとき、タイガーの相手がほかの選手だったらどうだっただろう? 新間も「本当にボクも相手(次第)だと思うよ。あのときの相手がキッドでなければ、彼(初代タイガー)は違う方向に進んだかもしれない」。極論すれば、タイガーはボロキレマスクのままで終わったかもしれないのだ。あの試合におけるキッドの切れ味鋭い動き、受けっぷりがタイガーの持ち味を引き出し、観客の視線をくぎ付けにした。キッドがライバルになったことにより、ブラック・タイガーが出現し、小林邦昭が虎ハンターとなった。クイーンの実力は未知数、謎のままでいい。肝心なのは相手である。山本の発言によってハードルがグンと跳ね上がった。提供する方にはプレッシャーがのしかかるが、あの一言で「重大発表」の重みが増したと思うのだ。
そして2度目の記者会見。7月16日にはクイーン本人がはじめてお披露目された。表情はうかがえず、言葉さえ発しなかったものの、身長は170センチを軽くオーバーしているように見える。年齢やスポーツ格闘歴は一切不明。以前渡されたイメージ画像と違い過ぎることもなく、むしろ驚くくらい画像に近いとの印象さえ残った。
さらにこの日、コメントを出さない代わりというわけではないとしても、佐山&ジャガーによる道場での指導風景が映像で映し出された。これを見ると、ローリングソバットやフライングクロスチョップ、コーナーを蹴って後方に宙返りするサルトモルタルなど、四次元殺法と呼ばれたタイガームーブを披露。初代タイガーによるとこれは最新映像ではなく、いまは動きの精度がさらに上がっているとのこと。初代タイガーが「彼女を観た瞬間、40年前を再現できると思いました」と言えば、ジャガーは「初めて見たときから衝撃をもらいました。ハッキリ言ったら初代夕イガーのクローンだと私は思っております」と太鼓判を押す。が、もちろん単なるコピーに終わらせる気はないだろう。周知の通り、初代タイガーは空中戦オンリーの選手ではない。そこには昭和の新日本で培った魂、ストロングスタイルの集大成がある。初代タイガー、ジャガーともクイーンの吸収の早さには舌を巻くほど。それでいて、精神的部分もたたき込まれているらしい。