右足切断の谷津嘉章氏 トークライブで元気な姿「初めて障がい者の気持ちが分かった」
元プロレスラーの谷津嘉章氏が18日、都内で「谷津嘉章はやっぱり凄いヤツ」と題したトークショーを行った。
「谷津嘉章はやっぱり凄いヤツ」トークショー
元プロレスラーの谷津嘉章氏が18日、都内で「谷津嘉章はやっぱり凄いヤツ」と題したトークショーを行った。
谷津氏は昨年6月、持病の糖尿病の悪化で右足を切断した。
義足を披露した谷津氏は「初めて障がい者の気持ちが分かったぞっていう感じですね」と心境を吐露。
切断部分と義足をつなぐ部分について「体調とか(切断部分の)サイズによって痛くなったり痛くなかったりする。長い時間歩いているとどんどん細くなる。切ったところが。歩かないで、全く抵抗を与えないと、今度は太ってくる。むくんでくる。そうすると、入らなくなっちゃって。初心者マークつけてずっとやってますけど、これはこれで奥が深いですね」と、悪戦苦闘の日々を明かした。
当初、義足は激痛のあまり30分しか装着できなかった。現在では就寝時やシャワーの時以外は連続して装着することが可能になった。
それでも、転倒の恐怖心はぬぐえないという。
「受け身を取るといっても日本の住宅には場所がないんですよ。だから怖いですね。えんぴつが倒れるみたいな感じだから、とっさに倒れて倒れた瞬間がどういうふうに倒れたか分からない状態で。2日前に、ちょっと手すりをつかもうと思って倒れた。肋骨を打って今、ロキソニンを張っている。受け身が取れないんです。障がい者ってやっぱり大変ですね」と綱渡りの胸中を告白した。
「自分はこれを切断した時、去年の6月25日ですね。それで腐っている時に、長州力が何回目かの引退試合を後楽園でやって、奥さんについて『絶対かなわない人が1人います!』なんて言ってね、この野郎と思った。なんだこの差は、俺は足取っているのに、向こうは有終の美かと」と話して会場を盛り上げた。
そんな谷津氏が、術後の目標に掲げたのが東京五輪の聖火ランナーになること。夢はかない、3月29日に栃木・足利市内を走ることになった。
「この義足ではちょっと無理。これは歩くための義足だから。自分の中では競技用のやつあるじゃないですか。ああいうものを、パフォーマンスで履いて」と、新たな義足を準備する。「障がい者になっちゃったから、1人でもたんたんと歩くっていうわけにいかなくて、いろんな方々の力が必要になってくる。義足士とか、リハビリをやってくれる先生とか、谷津を応援してくれる人間とか。そういう意味では本当に感謝ですよね。今までプロレスずっと1人でやってきたつもりでいましたけど、障がい者になってみて、1人じゃ何もできないっていうのが現状」と、恩返しのランを誓った。
イベントを主催したチームフルスイングは、次回トークイベントを春に予定し、キャスティングを進めている。