十七回忌の「破壊王」橋本真也さんの愛すべきエピソード 豪快なファイトとイタズラ伝説

本日7月11日は2005年に40歳で亡くなった「破壊王」橋本真也さんの命日。今年は十七回忌にあたる。

魅力たっぷりの橋本真也さんの笑顔【写真:柴田惣一】
魅力たっぷりの橋本真也さんの笑顔【写真:柴田惣一】

「イタズラ王」としても知られていた橋本真也さん

 本日7月11日は2005年に40歳で亡くなった「破壊王」橋本真也さんの命日。今年は十七回忌にあたる。

 1984年に新日本プロレスに入門した橋本さんは、武藤敬司、蝶野正洋と共に闘魂三銃士を結成し、プロレス界をリード。「ミスターIWGP」と呼ばれ「柔道王」小川直也との抗争でも話題を集めた。

 01年にはZERO-ONEの旗揚げ戦に臨み、その後、全日本プロレスに乗り込み3冠王座も獲得した。04年にはハッスルにも参戦するなど、マット界で暴れまわった。全盛期の最中、05年に急死している。

 豪快なファイトで人気を集めたが「イタズラ王」としても知られていた。たくさんの愛すべき都市伝説を残しているが、中でも忘れられないのは、付き人も務めていた天山広吉との都市伝説の数々。いまだに語り継がれている。

 合宿所で寝ていた天山の大事なところに、橋本さんがサロメチールを塗った。激しい痛みとハレに飛び起きた天山は風呂場に直行。「痛い! 熱い!」。何度も洗ったものの、なかなか元に戻らない。橋本さんのイタズラには“免疫”ができていた天山も、これにはさすがに抗議したという。

 そういえば、かつての新日プロ道場には、チューブではなくビンに入った特大のサロメチールが置いてあった。「これはすごい薬だよ。切り傷以外は何でも効く。打ち身、捻挫、腰痛や肩こり、やけどに虫刺され、頭痛にはこめかみに、歯痛には頬やあごに塗るんだ。万能薬だ」と、藤波辰巳(爾)や小林邦昭が説明してくれた。

 フタを取ったときの、ツーンと脳天にくる強烈な匂いと刺激。21年の発売から100年の歴史があるという。発売元はいくつか変わったが、現在も根強い人気がある。お医者さんも「プロが使う薬だ」と太鼓判を押している。

 風呂上がりにタップリつけ、白さがなくなるまで塗り込む。さらにラップを巻いて密閉するという荒療治。悪いところは熱くなりジンジン痛くなる。その熱さと痛みに耐えられず、洗い流してしまう者もいたというが、この方法が一番効果的で治りも早いと言われていた。

 当時の道場では、ビンの上にアイスクリームを食べるときの、小さな木のスプーンが添えてあった。「指ではなく、それですくえ」ということだった。強烈な薬なので、一度くらい洗っても指に残ってしまうこともある。それが目に入ったりしたときの地獄の痛みには、屈強なプロレスラーといえどももん絶する。

 橋本さんも何度もサロメチールのお世話になったはず。そのあまりの効能に「何か、他にも使えるのでは?」と考え、新たな使用法を思いついたのが、天山への仕打ちだったのだろう。

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