ワクチン接種後に献血に行ってもいいの? “新しい献血様式”を日本赤十字社に聞いた

新型コロナウイルスのワクチン接種が急速に進んでいる昨今、日本赤十字社では「献血は不要不急の外出にはあたらない」とし、積極的な献血を呼び掛けている。ワクチン接種後の献血の基準はどうなっているのか。コロナ禍での“新しい献血様式”について、日本赤十字社に聞いた。

新型コロナウイルス禍での献血に注目が集まっている(写真はイメージ)【写真:ENCOUNT編集部】
新型コロナウイルス禍での献血に注目が集まっている(写真はイメージ)【写真:ENCOUNT編集部】

ファイザー製、モデルナ製ワクチンは接種後48時間で献血が可能に

 新型コロナウイルスのワクチン接種が急速に進んでいる昨今、日本赤十字社では「献血は不要不急の外出にはあたらない」とし、積極的な献血を呼び掛けている。ワクチン接種後の献血の基準はどうなっているのか。コロナ禍での“新しい献血様式”について、日本赤十字社に聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

――献血者はコロナ禍以前と比べ減少しているのでしょうか。

「日本赤十字社では国の需給計画に沿って献血のお願いをしており、医療需要を超えて献血のお願いをすることはありません。そのため、コロナ禍以前と直接の比較はできませんが、現在は血液型に関わらず輸血用血液を安定的にお届けできています。しかし、密な状況を避けるため、企業や大学などでの集団献血の実施は困難な状況が続いています」

――ワクチン接種後の献血は可能ですか。

「現在承認されているファイザー製、モデルナ製のRNAワクチンについては、国の定めた基準により接種後48時間は献血をお断りしています。RNA以外の種類のワクチン、アストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンなどを接種された方は、現時点では国における基準がなく献血をご遠慮いただいています」

――新型コロナウイルスに感染した人は献血はできないのですか。

「現段階では、新型コロナウイルスに感染したことのある方、PCR検査などで陽性と診断されたことのある方には献血を控えていただいています。また、濃厚接触者とされた方は、接触したとされる当日から4週間は献血を控えていただています。今後、受入基準に変更があった場合には、ホームページなどでお知らせいたします」

――他国ではワクチン接種後の献血基準はどのようになっていますか。

「WHO(世界保健機関)、FDA(アメリカ食品医薬品局)、ECDC(欧州疾病予防管理センター)などは、ワクチン接種当日でも採血可としています。国内では献血者保護や血液製剤の安全性の観点、献血血液の必要量に問題がないことなども含めた上で、接種後48時間以降となっています」

――コロナ禍で献血を見送っている人もいますが、どのような感染対策を行っていますか。

「献血される方が集中することによる密集や密接を避けるため、ウェブサイトや電話による事前予約をお願いしています。また、手指消毒や検温、定期的な換気などの感染予防対策も実施していますので、安心して足を運んでいただければと思います」

――献血によって救われる命があるのはコロナ禍でも変わらないということですね。

「はい。献血は不要不急の外出にはあたりません。輸血用血液を必要としている患者さんの命を守るために、献血のご協力をよろしくお願いします」

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