eスポーツ選手が考える“楽しませること”の重要性「『応援してもらうこと』が一番大事」

魅力あるプロへの熱い思いを語った【写真:ENCOUNT編集部】
魅力あるプロへの熱い思いを語った【写真:ENCOUNT編集部】

「強くて面白い人が一番魅力的」

「シャドウバースも麻雀も、まだまだ認知度を高めて視聴者数やプレイヤーの数を増やしていかないといけない段階にあります。業界自体もその意識を持って動いていますし、自分自身も同じです」

 そのためにプロとしてどう見られるか、どう露出を増やしていくかという点において、Robは他選手と一線を画す部分がある。前編でも触れたように、麻雀のプロとしても活動しているということだ。「認知度、興味を持ってもらうという点に関しては、すでに実感しています」と明かすが、そのアドバンテージに甘んじるつもりはない。

「強くて面白い人が一番魅力的だという思いがあるんです。プロとして強くならなければいけないのは前提ですし、負け続けたらプロでいられなくなる可能性もあるので、最強でなければいけないという思いは常に持っています。ただ、周囲も同じプロで強い以上、勝つこともあれば負けることもある。だからこそ、最強を目指しながらも面白くあるのがベスト。面白くなるということに関しては、努力と意識である程度のところまでは行けると思いますし、プロとして活動する上で欠かしたくないんです」

 理想は単なる“強いプロ”ではなく、“強くて面白いプロ”。黎明期を抜け出してさらなる発展を見据えるeスポーツ業界にとっても、そのプロ意識は頼もしいものだろう。強い意思を持って道を切り拓くRobに、これからeスポーツのプロを目指す“未来のプロゲーマー”たちへのメッセージも聞いた。

「プロを目指したいほど好きなタイトルや競技があるのなら、全力で取り組んでほしい。そして、プロを目指そうと思った段階でどういうプロシーンがあって、どのように生活していくのかも考えないといけないと思います。若ければ1回飛び込んでみるというのもいいと思いますが、調べておいて損はないですよね。

『親の理解がない』という話もたまに聞きます。ただ、それなら自分でしっかり調べて、『プロになればこういう報酬体系があって、こうやって暮らしていけます』というアピールをするのもありだし、『こういう報酬が予想できるから、プラスでこういう活動もします』、『プロになって配信者としての活動も含めてまず2年頑張ります』と説得してもいい。プロを目指したいと思ったなら、まずは情報を仕入れてほしい。親に反対されたからあきらめる、生活できないからやめるというのが、一番もったいないですから」

 Robが理想形とする“強くて面白いプロ”がeスポーツ界をさらに盛り上げて道を作り、良き手本を見て育った若いプレイヤーたちが未来を支える。そうして歴史が紡がれていくことに期待しながら、高いプロ意識とともに異例の“二刀流”にも挑むRobの活躍に注目したい。

□Rob/6月15日、岡山県出身。プロeスポーツチーム・AXIZ「シャドウバース」部門創設時からのメンバーで、チームリーダーを務める。2019-20シーズンにはチーム初の年間優勝に貢献した。「2Pick」フォーマットを担当する。
ツイッター:https://twitter.com/rob_g_sv

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