eスポーツ&麻雀の“二刀流”に注目 プロ選手が異例の挑戦、その思いとは

AXIZのチームロゴをアピール【写真:ENCOUNT編集部】
AXIZのチームロゴをアピール【写真:ENCOUNT編集部】

多種多様な人材をそろえる麻雀プロは「人生の刺激になっています」

 そもそも、すでにeスポーツの舞台でプロとして活躍する中で、麻雀プロも目指すことになったのか。大学時代の麻雀との出会いは先述の通りだが、Robは「具体的に目指すようになったのは、シャドウバースのプロになってからですね」と振り返る。

「より高いレベルでプレイする中で、自分が発信してゲームを広めたい、自分の姿を見せたいという思いが出てきてたんです。そして、『シャドウバースと同じくらい好きな麻雀でも同じことができたらいいな』という思いに至り、『オフ期間にしっかり勉強してプロに挑戦しよう』と踏み出すきっかけになりました」

 好きだからこそ真剣に取り組んできた2つの競技で、プロシーンにまで登り詰めた。「競技シーンで強い人たちと戦える楽しさもあるし、自分のプレイをいろいろな人が見て応援してくれる、熱狂してくれるということにも、やりがいや楽しさを感じます」とする一方、eスポーツとの明確な違い、麻雀プロの世界でしか得られない経験もプラスになっているという。

「麻雀のプロにはすごく多様な人たちがいて、普段から雀荘勤務で麻雀ばかりやっている人もいれば、SNSフォロワー30万人以上のグラビアアイドルやZepp Tokyoを満員にしたことのあるビジュアル系バンドの元ボーカルもいます。逆に公務員やIT関係の仕事をしている人もいて、普段出会うことのない人たちと出会う機会ができました。今のシャドウバースのプロとしては同じプロ選手やYouTuberとしか基本的に出会いがないですが、麻雀のプロになったことでこれからいろいろな分野の人たちと出会う機会が増えるとは感じています」

 多種多様な人材との交流は、eスポーツの世界でストイックに戦ってきたからこそ新鮮なものだ。Robは「視野はかなり広がりましたし、麻雀プロになったことで一番大きなことかもしれません。人生の刺激になっています」と目を輝かせる。

 いずれのプロシーンもまだ成長の余地が大きく、競技を股にかけて活躍するRobの存在はそれぞれの認知度向上において重要な役割を果たすだけのポテンシャルがある。まだ麻雀プロとしてはもちろん、eスポーツ界での挑戦も長い目で見れば始まったばかり。2種類の頭脳戦で最前線を張る男の“これから”に注目だ。

□Rob/6月15日、岡山県出身。プロeスポーツチーム・AXIZ「シャドウバース」部門創設時からのメンバーで、チームリーダーを務める。2019-20シーズンにはチーム初の年間優勝に貢献した。「2Pick」フォーマットを担当する。
ツイッター:https://twitter.com/rob_g_sv

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