細田守監督手応え「ネットで美女と野獣をやったらという映画」 「竜とそばかすの姫」完成

細田守監督の最新アニメ映画「竜とそばかすの姫」(7月16日公開)の完成報告会見が6日、東京・六本木のグランドハイアット東京で行われ、中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、佐藤健のボイスキャストと細田守監督が勢ぞろいした。

(左から)玉城ティナ、染谷将太、佐藤健、中村佳穂、成田凌、細田守監督【写真:ENCOUNT編集部】
(左から)玉城ティナ、染谷将太、佐藤健、中村佳穂、成田凌、細田守監督【写真:ENCOUNT編集部】

完成報告会見にボイスキャストと細田守監督が勢ぞろい

 細田守監督の最新アニメ映画「竜とそばかすの姫」(7月16日公開)の完成報告会見が6日、東京・六本木のグランドハイアット東京で行われ、中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、佐藤健のボイスキャストと細田守監督が勢ぞろいした。

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 同作は、母親の死で心に大きな傷を抱えた女子高生すず(中村佳穂)が、“もう一つの現実”と呼ばれる50億人が集うネット上の仮想世界で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語。「美女と野獣」が下敷きになっている。カンヌ国際映画祭(6~17日まで)の新設部門「プルミア」にも選ばれた。

 この会見で竜役を務めることが明らかになった佐藤は「やっと言えた。予告編を見て、ヒヤヒヤしていました。どこからどう聴いても、僕の声だからバレるんじゃないかと思っていました。(竜は)複雑な心を持った役です。自分に務まるのかと思いましたが、細田監督の優しいディレクションでやり遂げることができました。竜は仮想世界の悪役といった感じですが、ベルと出会うことによって、変化していくんです」と話した。

 映画は前日の5日に初号試写を行ったばかり。佐藤は「素晴らしかったですよ。余韻。細田監督の新境地であり、真骨頂を見せていただいた。表現の仕方が新しい。映像が美しいだけで胸がふるえるんだ。それに歌声が重なるんです。中盤から涙腺が緩みっぱなしでした」と大絶賛だった。

 オーディションで、唯一無二の歌声と表現力を披露し、ヒロイン(すずとベルの二役)に抜てきされたミュージシャンの中村も「圧倒的という感じです。制作途中にたくさん拝見したけれども、全てがエネルギーを持っています」と手応え。ほかのキャストも、「数秒ですごい作品が始まった、と思った。直接心に届いた。体感したという感じです」(成田)、「傑作を見ちゃったな。アクション、ラブロマンス、歌も素晴らしい。号泣しちゃって、目がパンパン。メイクさんを困らせた」(染谷)、「学生時代の自分に見せてあげたい」(玉城)。

 細田監督は主要ボイスキャストを前にして、「感慨深いです。このメンツを見ても頼もしいし、誇らしい。この作品を輝かせてくれた。僕は、『デジモン』『サマーウォーズ』と最初からインターネットを舞台に映画を作ってきた。インターネットを肯定的に描いてきたのは僕だけだと思います。インターネットの世界で18世紀のフランスの物語『美女と野獣』を持ってきたら、どうなるかを描いた」。前作「未来のミライ」に続く2度目のカンヌ映画祭選出には「まさか選ばれるとは。アクション、ラブロマンス、サスペンスありのカンヌらしくない内容ですが、勇気をもって選んでくれた。感激しました」と話していた。

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