【欧州車紀行・北仏4】いよいよ出発! フォード車でモン・サン=ミシェルまで360キロの旅

オートマのフォード、濃紺のC-MAX。もちろん初めて乗る車種だ。早速、乗り込んでみる。感触はこの時点ではぼんやりしている。

C-MAX備え付けのナビ【写真:峯田淳提供】
C-MAX備え付けのナビ【写真:峯田淳提供】

出発前のチェックは念入りに!

 オートマのフォード、濃紺のC-MAX。もちろん初めて乗る車種だ。早速、乗り込んでみる。感触はこの時点ではぼんやりしている。

 まずは出発前のチェック! 僕は日本人の中でも小柄なので、シートの位置は前にグイっと。それからアクセルとブレーキを踏みながら調整。シートの背は立て気味に。ギアとサイドブレーキの確認、ワイパー、ウインカーを動かしてみる、バックミラーとサイドミラーの位置、それからカーナビ。今回は日本から持ってきた、2015年から使っているガーミン製と、車に備えられているナビの二つがある。ガーミン製は車から電源を取ってダッシュボード付近に固定し、備え付けのナビにはガーミン製に登録しておいた目的地と、この日に宿泊するモン・サン=ミシェルのホテルを登録する。

 高速道路に入るまでは、パリ在住の友人のえっちゃんに助手席でナビをしてもらい、僕の連れ合いのゆっちゃんは後部座席に。ゆっちゃんには「ガーミン製のナビと、車に備えられているナビのどっちが役に立つか分からないから、見ててね」とお願いする。外国での慣れない運転だから、それくらいは協力してもらわなければならない。

 エンジンをかけ、ギアは「P」、サイドブレーキを入れたまま、アクセルとブレーキの踏み込みを再度チェックし、シートの位置をもう1回確かめ、いよいよ。スタートしたら、ゆっくり、慌てないこと。後ろや脇からクラクションを鳴らされても、「ごめんね」と笑っているくらい、おっとりと。特にフランス人はせっかちなので、思いっきりクラクションを鳴らし、小馬鹿にしたような表情でにらみつけられることも多いが、無視、スルーする。

心強い友人、えっちゃんとお別れする

 えっちゃんのルートの説明はこうだ。

「ポート・マイヨで環状線に乗って、そこからA13のオートルート(高速道路)に乗る。ル・アーヴル、ルーアンのディレクションに向かってひたすら走る」

 パリは市内を大きく囲むように環状線が走っていて、そこから東西南北の高速道路に出ることができる。このとき、えっちゃんはエトワール広場からポート・マイヨに入るルートを考えていたが、工事中で進めず、迂回ルートに変更した。ナビはまだうまく機能せず、“えっちゃんナビ”頼み。

 それでも、10分もかからずにポート・マイヨの環状線入口に着き、えっちゃんが降りて連れ合いのゆっちゃんが助手席に移動、えっちゃんとはそこでお別れとなった。05年にロワールに出かけたときもえっちゃんが環状線の入口まで見送ってくれたことを思い出した。こんな風に入口まで迷うのはなぜかパリが多い。パリは特別なのだ。イギリス、ドイツ、スペインは途中のトラブルはあっても、出発はたいがいスムーズだから。

「気をつけてね。スマホはいつでも出られるようにしておくから。LINEの電話でもいいし」

「ありがとう!」

 さあ、ここからモン・サン=ミシェルまで360キロ、約4時間のドライブがスタートした。

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