【私の宝物】“怪談家”稲川淳二が明かす恐怖体験 衝動買いのお宝ライトが招いた富士の樹海での出来事
恐怖体験はまだまだ続く…
稲川さん、「あららら」とUターン。知り合いを駅に迎えに行くという稲川さんの事務所のスタッフの車と出会う。
「どこへ出しても恥ずかしいといわれるスタッフなんだけれど、その男と二言三言話して、モンキーを発進させた途端、何かに当たり、体が宙に舞った。口を何かにぶつけた感じがある。『俺、今空中飛んだような気がする』というと、スタッフも『飛びましたよ』と。枝も出てないし、何もない。まるで透明のバリアに当たった感じ。そのまま乗馬クラブに行ったら、そこの人がどうしたのというから、かくかくしかじかと話したら、そこには土葬の墓が三つあって、囲ってあり、出入口がなくて、霊を閉じ込めているという。『稲川さん、あそこはしょっちゅうだよ』と。その人が手当てをしてくれるというので、手を出したら、『あらっ、誰に引っかかれたの』というので、両手を見ると、甲が削られている。丁度五本指でえぐった感じ。顔はというと、鼻はこすれていなくて鼻の下と口の下に傷。その人が、『稲川さん、あんたを行かせまいとしてそこをつかんだんです』と。その話が広まったら、同じ場所でモトクロスで飛んでケガをしたとか、私を含めて少なくとも3人が同じ経験しているんです。そのときのモンキーは今もあります」
稲川さんの怖い実体験話でインタビューは終了した。
□稲川淳二(いながわ・じゅんじ)1947年8月21日、東京都渋谷区生まれ。怪談家。桑沢デザイン研究所を経て工業デザイナーに。個人でデザインを手掛けた「車どめ」が96年度通産省(当時)選定のグッドデザイン賞受賞。タレントしても活躍。俳優としても、NHK大河ドラマ「信長KING OF ZIPANGU」に準レギュラーで出演。45歳から怪談ライブを始め、55歳ですべてのレギュラー番組、ドラマ出演から降板し、怪談を探求し「稲川淳二の怪談ナイト」の公演に専念する。93年から2020年まで861回の公演を行う。観客動員数は61万人にもなる。21年も7月10日から10月31日まで全国ツアーを行う。