【私の宝物】“怪談家”稲川淳二が明かす恐怖体験 衝動買いのお宝ライトが招いた富士の樹海での出来事
衝動買いしたバイクを走らせ、霊と遭遇
「デザインがすごくいい」と自作のけん玉を自賛する稲川さん、工業デザイナーだけあってか器用。NHKの大河ドラマに出演していたときには、長いセリフを覚えるのに集中するため、夜にクロスボウ(ボウガン)を作りながらセリフの練習をした。大河が終わる頃には完成したそうだ。最後にもう一つ、稲川さんならではの、忘れられないエピソードがある宝物の話を。
「飲んだ帰り、オートバイ屋さんの前を通ったんですよ。ブラックに金のラインが入ったきれいなモンキーがあった。ホンダのバイクです。きれいだなと思って、しょっちゅう乗るわけでもないが、値段聞いたらそんなに高くもないし、1000台限定というじゃないですか。買っておいた方がいいかなと衝動買い。小淵沢に乗馬クラブの牧場があってそこで年に2回ほど馬に乗るんですが、これをバンに積んで持っていった。牧場の道路を挟んだ斜め向かいに泊まる宿があり、その宿まで歩いて行けるのに、バンに積んでいったモンキーに乗りたくなって乗った。宿に行こうと思ったら対向車があったので、逆を向いて山のほうに上った。走りながらちらっと左手を見たら、うっすらとした月明かりのもと、人がたくさん集まっている。着物の人が随分いるんですよ。お祭りかなと思った。前夜祭かなんかで騒がないものあるじゃないですか。バイクの音はまずいかなと思ったが、まあいいかと過ぎたら突然スギ林。スギ林の間からもその人たちがちらちら見えているんです。スーッと行ってスギ林が終わって出たら目の前が墓場だった。全部花が活けられていました。確かに着物姿の人は見えたんですよ」
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恐怖体験はまだまだ続く…