ムーミンの新企画展が開催 フィンランド・ムーミン美術館から初めて貸し出される展示も
株式会社ムーミン物語は、7月10日から、埼玉・ムーミンバレーパーク内の展示施設「KOKEMUS(コケムス)」で、新企画展「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展-食べること、共に生きること-」を開催する。
フィンランドの豊かな食文化を知ることができるコーナーも
株式会社ムーミン物語は、7月10日から、埼玉・ムーミンバレーパーク内の展示施設「KOKEMUS(コケムス)」で、新企画展「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展-食べること、共に生きること-」を開催する。
英語の「convivial(コンヴィヴィアル)」は「宴会」や「ごちそう」、そして「共生」を意味しており、食べたり飲んだりすることと、共に生きることはつながっていることが分かる。また、この言葉には、雰囲気が陽気だったり、友好的なこと、心地よかったりすること、という意味もある。
ムーミンの世界には季節を通していろんな食べ物が登場するが、それを取り巻く環境やフィーリングはまさに、コンヴィヴィアルであふれている。多様な価値観がとなり合ってせめぎ合う現代の社会にあって、おのおのの「個」をしっかりと保っているのになんとなく共生しているムーミン谷の仲間たちの生き方と、コンヴィヴィアルという概念は、これからの時代を生きていくための示唆に満ちている。
四季折々の自然の恵みの食べ物を中心としたムーミン谷の豊かな食文化と、和気あいあいとくつろぐムーミン谷の仲間たちの姿を通して、心がぽっと温かくなるコンヴィヴィアルな気持ちを感じてもらえるような展覧会となっている。実施期間は2022年10月下旬までを予定。
コンヴィヴィアルなシーンを再現する1つとして、作者トーベ・ヤンソンとパートナーのトゥーリッキ・ピエティラが制作・収集したミニチュア道具コレクション「パラフェルナーリア」がフィンランドのムーミン美術館から初めて貸し出され、世界初のお披露目となる。
「食」をテーマに選び抜かれた「パラフェルナーリア」20点が来日し、“幻のムーミン人形”と言われているアトリエ・ファウニで構成した食卓シーンの再現は、唯一無二の展示物となる。あわせて、貴重なコレクションやアート作品も展示される。
いたずらもののスティンキ―が製造した破天荒な密造酒製造機「マンハッタンダイナマイト」の再現や、ムーミンバレーパークのオリジナル曲「おっきいりんごの唄」の紹介。ムーミン谷の仲間たちとのフォトスポットなど、“見る”だけではなく、“聴く”、“参加できる”仕掛けも楽しめる。
展示構成は、知的好奇心を誘うムーミンの原作アートと、象徴的な「ことば」からコンヴィヴィアルを感じる四季折々の食の視点、ムーミンの物語と深くつながりのある作者の故郷である北欧を象徴する食べもの「コーヒー」「ジャム」「パンケーキ」などから選定していく。フィンランドの豊かな食文化を知ることができるコーナーとあわせ、「食」について多面的に探ることもできそうだ。