獣神サンダー・ライガー、「SUPER J CUP」と亡き盟友ワイルド・ペガサスを語る

新日本プロレスの獣神サンダー・ライガーは、引退後もプロレス解説者やタレントとして引っ張りだこだ。なかでもYouTube「獣神サンダー・ライガーチャンネル」は、現役を振り返る裏話から趣味の園芸、親子共演などネタ満載で登録者も着実に上昇中。そんなレジェンドを襲撃したのは謎のロックユニット「ザ・リーサルウェポンズ」(アイキッド&ジョー)。往年のジュニア戦士たちへのリスペクトを込めたメジャーデビュー曲「94年のジュニアヘビー ~ザ・スコア~」(30日発売)を引っ提げてライガー愛を本人にぶつけた。話が盛り上がり延長戦に突入した対談の第2弾。今回は1994年の「第1回 SUPER J CUP」を振り返ります。

選手として全盛期を回想した獣神サンダー・ライガー【写真:塩見徹】
選手として全盛期を回想した獣神サンダー・ライガー【写真:塩見徹】

ライガー鳥肌!1994年は「僕にとって一番脂が乗っていた時代」

 新日本プロレスの獣神サンダー・ライガーは、引退後もプロレス解説者やタレントとして引っ張りだこだ。なかでもYouTube「獣神サンダー・ライガーチャンネル」は、現役を振り返る裏話から趣味の園芸、親子共演などネタ満載で登録者も着実に上昇中。そんなレジェンドを襲撃したのは謎のロックユニット「ザ・リーサルウェポンズ」(アイキッド&ジョー)。往年のジュニア戦士たちへのリスペクトを込めたメジャーデビュー曲「94年のジュニアヘビー ~ザ・スコア~」(30日発売)を引っ提げてライガー愛を本人にぶつけた。話が盛り上がり延長戦に突入した対談の第2弾。今回は1994年の「第1回 SUPER J CUP」を振り返ります。(企画・構成:福嶋剛)

ライガー「2人はどうやって知り合ったんですか?」

アイキッド「僕はもともとアニメを作るクリエーターだったんです。ある時、番組で英語の字幕を付けなくてはいけなくなり、知り合いの古本屋の店長に『誰かいない?』と聞いたら『引っ越して来たばかりのアメリカ人の英語の先生がいるよ』って紹介してくれて。それがジョーだったんです」

ジョー「最初に会った時から、メチャメチャ楽しかった。先生の曲もサイコー!だったね」

アイキッド「その後、古本屋の店内で流す曲を書いてほしいとお願いされて。思わず勢いで引き受けて5分で曲を書いたんです」

ライガー「えー? 曲って5分で書けるの? スゲーー!」

キッド「はい(笑)。それでジョーに歌をお願いしたんです。それがきっかけでバンドをやろうとジョーに言ってスタートしたんです」

ライガー「僕のYouTubeでも話してくれたけどアイキッドさんが、見た目から何から全部コーディネートしているんだって?」

アイキッド「はい。『ナポレオン・ダイナマイト』(2004年)という学園コメディー映画に影響を受けて、その世界観を音楽で表現したくて。主人公のカーリーヘアーとジョーが重なるんですが、バンドでは80年代っぽいものをニセ“マーティー・マクフライ”が歌うっていうコンセプトでやっています」

ライガー「映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公だ」

アイキッド「そうです。それで今回の曲『94年のジュニアヘビー ~ザ・スコア~』は、僕の青春時代というかプロレスに一番熱かった94年を歌った曲なんです。ライガーさんが3代目タイガーマスクとの一騎打ちで勝利して金本(浩二)選手が自ら虎のマスクを脱いだイッテンヨンから始まって…」

ライガー「さすがに詳しいね(笑)。曲を聞いて鳥肌が立ちましたよ。僕のYouTubeの収録でも話したけど、僕にとっても青春時代というか一番脂が乗っていた頃かな。その試合を曲に乗せて思い出させてくれましたね」

アイキッド「すごくうれしいです。94年の出来事に限定した曲なのでまさか今回CDになるとは思っていなかったんです。そしたらソニーさんでデビューすることになって。まさか最初の曲がこれだなんて。受け入れてもらえるのかちょっと不安だったんですけど」

ライガー「大丈夫ですよ。曲はワールドプロレスリングのテーマ曲ですよね。歌詞は出場したレスラーの特徴をちゃんとつかんでいますし」

アイキッド「ありがとうございます。曲はエマーソン・レイク&パウエルという有名なミュージシャンが作った曲で、そこに『SUPER J CUP』の思い出を歌詞にしてジョーが歌っています。個人的にハヤブサさんとクリス・ベノア(ワイルド・ペガサス)さんに敬意を表して、ちゃんと歌詞にしたかったんです。ライガーさん、ワイルド・ペガサス選手は、どんなレスラーでした?」

ライガー「あいつは留学生としてやって来て、最初は新弟子扱いですよ。よく練習を一生懸命やっていましたね。朝早く起きて掃除してちゃんこ作りもやってね。日本人と何ら変わらないことを毎日ちゃんとやっていたんですよ。アメリカ人から見たら日本のこういう風習って異質じゃないですか?」

アイキッド「そうですね」

ライガー「ちゃんこ番やって掃除して稽古して。向こうにはない文化なんだけれど、彼は『新日本プロレスのレッスンだ』と言って全部やっていたからね」

アイキッド「剣道と柔道のような“道”ですよね。“プロレス道”と言うか。だからアメリカに戻って頂点を極めたんですね」

ライガー「そう。お茶にも道があるしね。でもそこには作法という大事な学びがあるんですよ。僕なんかも若い頃は確かに“そんな道なんて”と思っていたけれど、やっぱり道なんだよね。歩んできた先人の人たちの教えだったり、道標ですよ。僕にとってはアントニオ猪木さんであり、山本小鉄さんであり。日本の文化っていいですよね。…って言い始めたらもう歳をとった証拠か?」

全員「(笑)」

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