中川翔子、好感持てたRIZINドーム大会の解説とリングアナ 入念な準備光る
「日本の格闘技界の中心が静岡県磐田市に」(高田キャプテン)
ちなみにしょこたんは、放送席では「歴史的な日にこの場所に座って、そしてリングアナも担当させていただき、光栄の極みです」と発言。この謙虚な姿勢こそが格闘技愛を感じさせる雰囲気につながっていくのだろう。
さて、最後になるが、今回のRIZINで印象に残った方をもう1人、加えさせてもらうと、高田延彦キャプテンになる。
高田キャプテンといえば、15年末の旗揚げの段階から、PRIDE時代から継承される「出て来いや!」の呼び声で選手を呼び込むパフォーマンスには人気があり、言ってしまえば「格闘生き字引」のような存在であることは誰もが認識しているところ。
とはいえ、率直な意見を言わせてもらえるなら、RIZINがスタートしてから今日まで、あまり明確なポジションが確保できていない気がしていた人物だった。
これがPRIDEの頃なら、高田キャプテン(当時は統括本部長)がいつ「鳥肌が立った!」と放送席から口にするのか。はたまた“皇帝”エメリヤーエンコ・ヒョードルを独特のアクセントで「ヒョードル」と呼ぶのをワクワクしながら楽しみにしていた自分がいた。
要は、高田延彦ならではのキャラの際立つ発言がいつ飛び出すのか。そんな楽しみを持ちながら試合映像を観ていたのだが、今回のRIZINでは、ついにその時が来た気がした。
それはメインでクレベル・コイケが朝倉未来を三角絞めで失神KOに追い込んだ際のこと。高田キャプテンは「日本の格闘技界の中心が静岡に持っていかれたよ! 静岡に、磐田に」と口にしたのだ。
確かにコイケは現在、静岡に在住し、同所に設立されたボンサイ柔術に所属しているし、この日の第8試合では、コイケと同じく静岡のボンサイ柔術に所属するホベルト・サトシ・ソウザがトフィック・ムサエフとの王座決定戦を制してライト級の新チャンピオンの座に就くことに成功した。
その点で言えば、決してそうした言動は間違ってはいないのだが、その視点をゴールデンタイムの中継で平然と言ってのける高田キャプテンにシビれた。決してほめ殺しではない。言葉の選び方が面白すぎる。今後はこうした、見方によってはお笑いで言うところの「ボケ」とも取れるような物言いが、高田キャプテンからポンポンと飛び出してくるようだと、RIZINの実況席は盤石になって行くと思う。
かつてアントニオ猪木は、弟子である藤波辰爾が長州力にサソリ固めをかけられた際、「藤波は骨が折れてもまいったしないでしょう」と、実況席から藤波の意地を表現してみせたが、幾多の修羅場をくぐってきたファイターの言葉には、それがダジャレであっても含蓄を感じる場合が多々あったりするものだ。
果たして、ここに書き記したいくつかの点を含め、改めて今後のRIZINからは目が離せなくなってきたことは間違いがない。