中川翔子、好感持てたRIZINドーム大会の解説とリングアナ 入念な準備光る
総合格闘技イベントにおいては18年ぶりと言われた13日のRIZIN東京ドーム大会。早くも開催から3日が経ってしまったが、反響の度合いを総合すると、朝倉未来と那須川天心がトップを争っているようだ。
驚かされた井上直樹と未来を感じた大崎孔稀
総合格闘技イベントにおいては18年ぶりと言われた13日のRIZIN東京ドーム大会。早くも開催から3日が経ってしまったが、反響の度合いを総合すると、朝倉未来と那須川天心がトップを争っているようだ。
しかしながら、あくまでそれは話題の中心がそこにあるだけで、他にも数多くの印象深い事柄が散見されている。
例えば、バンタム級グランプリにおいては四天王と呼ばれる石渡伸太郎が倒れるやいなや、強烈なサッカーボールキックを石渡の顔面にたたき込んでKOした井上直樹には驚かされたし、天心との1対3スペシャルスタンディングバウト(事実上のボクシングルールマッチ)で先鋒を務めた大崎孔稀からは、明るい未来を感じさせるエネルギーが伝わってきた。
ファイター以外で印象に残った人物もいる。
その筆頭は、しょこたんこと中川翔子だろう。YouTubeで朝倉海と共演し、それがきっかけなのか今回のRIZINでは大会史上初となる女性リングアナウンサーを務めた。
とはいえ、決してにぎやかしのようなものではない。その真摯(しんし)な姿勢の現れが、しょこたんのYouTubeチャンネル「中川翔子の『ヲ』」にあった、リングアナの実演練習ではないかと思う。
しょこたんは、2000年のPRIDE時代からリングアナを務めている太田真一郎アナにその極意を学ぼうと、所属事務所(青二プロダクション)にある青二塾に突撃。大会当日にしょこたんが担当する、朝倉海VS渡部修斗戦のリングコールを実演すると、太田アナからおおむね、以下のような指摘を受ける。
太田アナいわく、「会場の状況にもよるが、最初から声を張らずに、コーナー名、身長・体重などは抑えめに、選手名で声を張ったほうがいい」旨のアドバイスを受けた。
実際、リング上での本番ではその教え通りに朝倉VS渡部をリングコール。会場から大きな拍手を送られていた。
さらにしょこたんは、地上波の中継では解説席に陣取ったが、非常に分かりやすいコメントを簡潔に口にする。
実はしょこたんといえば、かつてスーパー戦隊のオーディションに応募し、その知識とパフォーマンス(変身ポーズなど)を披露したものの、詳しすぎて関係者にドン引きされたことを公にしているが、今回のRIZINに限ってはその様子がまったく見られない。
これは誰というわけではなく、過去には、自身の勉強してきた知識を無駄にひけらかそうとするタレント解説者がいないわけではなかったが、今回のしょこたんには出しゃばり感がまったくなかった。非常に小気味がいいテンポで最大公約数に伝わる情報を最小限の時間で要約して口にしていたのは好感が持てた。
個人的には9年前にアニメ関連の取材で直接、話を聞かせてもらったことがあるが、ひと言で言ってしまえばオタク。そのオタクのサジ加減がRIZINの解説では絶妙な範囲内で表現されていたように思う。それもRIZINのなせる技か。
評判も悪くないかと思うので、次回以降の登場も十分予想されるが、次回があるなら、黒いスーツに真っ赤な蝶ネクタイという正装ではなく、もう少し女性らしさの際立つような衣装での登場を望みたい。いや、おそらく今回のように控えめな正装にしたことが好印象に映ったと言えるのかもしれない。