朝ドラの気象考証担当・斉田季実治氏の“熱い経歴” 主人公・モネと「似た面あります」
気象予報士をやってきて「その集大成のような気持ち」
今後の気象予報の課題は。
「気象予報はどんどん精度が上がり、新しい情報が増えています。一方で、まだまだ一般の人が使いこなせていない現状もありますし、興味を持てば生かせる情報はたくさんあります。また、マスメディアで伝える情報だけでは限界も感じています。災害が広範囲になる中、一番危険な場所や特に危険な場所しかお伝えできない。ネットでは、その先の細かい情報が見られます。自分で調べ、自分で自分の身を守る行動につながるような流れにならないといけない。このドラマでそういったきっかけになってくれたら」
「おかえりモネ」の第2週のタイトルは「いのちを守る仕事です」。斉田さんは「うれしかったです。私、『新・いのちを守る気象情報』という本を8年ぶりに改定して出しています。『いのち』はひらがな」と紹介した。オーバーかもしれないが、やはり、モネは斉田さんがモデルのように感じる。
「誰か1人というより、いろんなところにちりばめられています。私の気象情報に対する考えとか思想みたいなことも、多く取り入れてくださっているように感じます。気象予報士をやってきて、その集大成のような気持ちでいます」
最後に「おかえりモネ」に出演したいと思わないか、とたずねると「機会があれば出てみたいです」ときっぱり。表情はさわやかに晴れた青空のような笑顔だった。
□斉田季実治(さいた・きみはる)1975年、東京都生まれ。北海道大学で海洋気象学を専攻し、大学3年時に気象予報士の資格を取得。大学卒業後、北海道文化放送に入社。報道記者として2003年の台風10号や十勝沖地震の被害をヘリコプターから中継するなど、自然災害の現場を数多く取材。被害を伝えるだけでなく、未然に防ぎたいという思いから気象の専門家の道に。民間の気象会社で経験を積み、2006年からNHKで気象キャスターを担当。現在は「ニュースウオッチ9」などに出演。