朝ドラの気象考証担当・斉田季実治氏の“熱い経歴” 主人公・モネと「似た面あります」

女優・清原果耶主演のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ(月~土曜、午前8時)では、主人公のモネが気象予報士を目指すことで、さまざまな気象現象が登場し、視聴者を楽しませている。同作で気象考証を担当するのが「ニュースウオッチ9」に出演する気象予報士の斉田季実治さん。作品とのかかわり方や気象予報士という仕事への思いを聞いた。

天気予報を伝えるポーズをしてくれた斉田季実治さん【写真:中野由喜】
天気予報を伝えるポーズをしてくれた斉田季実治さん【写真:中野由喜】

「おかえりモネ」をきっかけに「気象予報士を目指す人が増えたらいい」

 女優・清原果耶主演のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ(月~土曜、午前8時)では、主人公のモネが気象予報士を目指すことで、さまざまな気象現象が登場し、視聴者を楽しませている。同作で気象考証を担当するのが「ニュースウオッチ9」に出演する気象予報士の斉田季実治さん。作品とのかかわり方や気象予報士という仕事への思いを聞いた。(取材・文=中野由喜)

「気象考証の話があった時は純粋にうれしかったですね。普段、興味のない人も天気のことを好きになるきっかけになると思いますので」

 気象考証は天気に関するあらゆることを、脚本を見てチェックするのが主な仕事だ。

「実は最初から気象考証を依頼されたわけではないんです。2019年10月、気象に関連したドラマの制作を検討しているので気象予報士の仕事を詳しく知りたいということで取材を受けました。物語の中に取材で答えたことも盛り込まれています」

 制作発表前に脚本家の安達奈緒子さんや制作者らの取材を受け、その後も気象考証会議などを行っているという。

「取材で答えたことから脚本に使われていることもあります。気象は時期や時間帯によって起こりえることと、起こりえないことがあります。この季節にどんな現象があるかをお伝えしたり、質問にお答えしたり。ちょこちょこ盛り込まれています。登場する気象予報士の朝岡覚(西島秀俊)が、全国の気象予報の時間が2分半は短すぎると言う場面がありましたが、私の話がそのまま生かされていました。気象予報士の仕事がリアルに描かれ、やりがいや苦悩も描かれます。広く知ってもらい、目指す人が増えたらいいなと思います」

 主人公のモネは宮城・登米の森林組合で働きながら本当に自分の進みたい道を探し、やがて気象予報士を目指していく。斉田さんの経歴もどこかモネに近い気がする。

「父が国家公務員(林野庁)でしたので、転勤に伴い、いろんな所に住みました。小さい頃に秋田に住んで初めて雪を見ました。熊本では雨が大粒だったり、すごく湿った空気感だったり。子どもの頃からいろいろ体感し、空がすごく好きでした。小さい頃は父によく山に連れていかれました。北海道大学では水産学部で海のことを学びました。専門は海洋気象学。船に乗っている時、逃げ場がないので気象予報が重要と思って気象予報士の勉強を始めました。モネは気仙沼の海で育って登米の森に行って気象予報士を目指しますが、私は山で育ち、海のことを学んでから気象に興味をもちました。順番は逆ですが似た面があります(笑)。モネもですが、朝岡さんにも似ていますね。あとモネの妹・みーちゃんは高校生ですが水産の研究をしていますし。いろんなところに私の経験が入り込んでいる気がします。子どもの頃から見ていた朝ドラにかかわれてうれしいです」

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