俳優のオダギリジョーが11日、都内で行われた映画「名も無い日」（11日からシネマート新宿ほか全国順次公開）の初日舞台あいさつに永瀬正敏、金子ノブアキ、日比遊一監督とともに登壇した。

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　本作は、映画監督・写真家の日比の実体験をもとにした人間ドラマ。オダギリは亡くなった次男役を演じたが、「軽い覚悟で出演することはできない。監督が強い覚悟で臨んでいる作品。全てを背負いたいなと思い、全身全霊をかけて、やらなくてはという強い気持ちがありました」と撮影への覚悟を明かした。

　また、実際に日比監督の実家を使用し、撮影したことについては「それがセットだったらそういう気持ちにならないかもしれな。なので、ご実家で撮影させていただいたことはこの作品にいろいろな力を与えてくれているんだと思います」と振り返った。

　日比監督もオダギリについて「毎回、映画を見るたびに、優しい名古屋弁で話してくれている姿を見て、弟を思い出す」と感慨深げに語った。また、撮影時には黒の液体を肌に塗るというシーンを急きょ撮影することになったようだが、これについても「文句1つなしにやってくれて、翌日には『今まで以上に肌がツルツルになりました』とメールをくれた。そういう優しさを感じました」と撮影秘話を明かした。

　また、オダギリは永瀬と金子とのしっかりとした芝居は初だったとし、「2人とがっつり芝居するのが初めてだったんですけど、良い感じの兄弟だなと思って」と自賛。また永瀬について「映画俳優としても憧れてきた人ですし、永瀬さんと一緒の仕事がそんなになかったのが不思議なくらい。今回、初めて芝居を交わせるうれしさっていうのもすごい大きかったですし、だからこそ最高の答えを出したいとう思いがありました」と気持ちを明かした。

　本作は、映画監督・写真家の日比の実体験をもとにした人間ドラマ。次男・章人（オダギリジョー）の訃報が入り、カメラマンとして海外で長年暮らす長男・達也（永瀬）は故郷・名古屋に戻る。三男・隆史（金子）ともども現実を受け止めきれず、達也はカメラを手に、過去の記憶を探るように名古屋を巡る。本作では熱田神宮での撮影シーンが登場するが、劇映画に熱田神宮が登場するのは本作が初となる。