“秋元康×斎藤工”新ドラマ「漂着者」 天才性と狂気をふんだんに発揮した衝撃作

出来栄えに自信「皆さんに必要とされるドラマになっていく」

 コメントは下記の通り。

○斎藤工

――秋元康さん企画・原作の作品に出演されるのは2度目だと思いますが、本作に出演が決まった際のお気持ちをお聞かせください。

「実はかなり前にこのお話をいただいていたんですが、まず、『なぜ僕なんだろう……』と思いました。でもその後、今、このタイミングで作品自体も“漂着する”ことになり、すべての点が線になってつながったような不思議な体験をしています。『共演NG』の時にも、『秋元さんはどこまで先が見えている方なんだろう』と感じていたんですが、エンターテインメントを通じてみんなが思っていたことを表現してくださいますよね。サブスクリプションが主体となってきている時代に、民放のドラマはどうあるべきか、を示唆する作品だったなと思います。この『漂着者』は、演じる僕自身が確固たる答えをもつというよりは、演じながら秋元さんのビジョンにたどり着いて行く、そんな作品になっていくんだと思います」

――台本を読んだ感想をお聞かせください。

「僕は映画が好きなので、年齢の割にはいろいろな作品を見てきた方だと思うんですが、このドラマは何とも似つかない、かといってすごく奇をてらっているわけでもない。そして、新しいけれど懐かしい……という、すごく不思議な気持ちになりました。今のこのご時世において、僕らは何かを断言してくれる人を求めているんじゃないかなと思います。そういう僕らが必要としている存在の象徴、1つの概念として、ヘミングウェイの姿を描いているドラマなんじゃないかなと思いました」

――正体不明のヘミングウェイを演じるにあたり、準備していることや参考にしている人やものがあれば教えてください。

「実際に僕の周りにも記憶の一部を失っている方がいらっしゃるんです。その方を見ていて、僕自身、何かを失った時に、別の能力が倍増してリカバリーするという、人間がもともと持ち合わせている英知を超えた能力というのは、実際にあると思っています。厳密にいうと、この方がモデルというわけではないんですが、これまで見てきた作品の主人公も含めていろいろなものを参考にさせていただきました。ヘミングウェイは地上に降り立った人なのか、もしくは天界の人なのか……。地面から数センチ浮いているような価値観を持っているんだと思います。僕が思っている概念と、秋元さんが僕を選んでくださった事実に身を投じて、ヘミングウェイになっていけたらいいなと思います」

――もし、ヘミングウェイのような人物が現れたら?

「僕らは今、人前に立って発言する職業の人たちの言葉の意味、本質みたいなものを吟味していると思うんです。人前に立つ公の人を、より厳しく見ている時期で、言葉の奥にある本質に目を凝らし、耳を澄ましている。一国民として僕自身も正直、純度が保たれた言葉がなかなか見当たらないな……と少し感じています。そういう意味でも、ヘミングウェイはそういう純度を保った言葉を残す、僕らが求めている人物なのかなと思います」

――撮影に向けての意気込みと、視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

「このドラマは足掛け3年で実現することになったんですが、いま振り返ってみると『この時間は必要なものだったんだな』と思います。2021年、皆さんに必要とされるドラマになっていく、そんな必然性を感じています。秋元さんが見ていらっしゃる“今”と“未来”を提示し、さらに僕自身が“見たいもの”を作っていきたいと思います」

○秋元康氏

「毎日のように、テレビや新聞や雑誌で取り上げられている話題の人物が、もしも身許を偽ったとしても、今のネット時代、すぐに『あいつは、○○だ』と特定されるでしょう。では、もしも、どれだけマスコミが調べても、どこの誰なのか全くわからない正体不明の人物が現れたとしたら? しかも、その人物が『過去のことを全く思い出せない』と言い張る記憶喪失のイケメンだとしたら? そして、それが意味ありげにほほ笑む斎藤工だとしたら? 彼はどこからやって来たのでしょうか。何のために? そんなストーリーの続きを見たくなる“クリフハンガー”満載のドラマを企画しました」

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