岐阜の美しい自然に「夢を諦めない素晴らしさ」という普遍のメッセージを込めた映画「ブルーヘブンを君に」（秦建日子監督）が6月11日に公開された。由紀さおり演じる主人公・冬子の孫で、夢の実現のために奔走する蒼太と正樹を演じるのは、東海地区を拠点に活動するエンターテインメント集団「BOYS AND MEN」の小林豊と本田剛文。2人に岐阜をはじめとする東海3県への思いや、諦めたくない夢について語ってもらった。（取材・構成＝安藤かなみ）

――撮影は2年前にオール岐阜ロケで行われたそうですね。脚本を読んだ当時の感想を教えてください。

本田「まだ映像になっていない段階でも、秦監督が書かれる物語の温かさにすごく勇気をもらえるストーリーだなと思いました。これがどういう映像になるんだろう、秦監督はどういう感じで撮るイメージをされているんだろうと楽しみでした」

小林「温かいのは分かっていたけど、できあがったものがここまで温かくなったんだというのには驚きました。由紀（さおり）さんが普通に散歩をしているシーンとか、自分が映っていないシーンも全部をたどっていったときに『自分の信念を持って生きることが格好いいんだ』とすごく感じて。つながっていく1つのピースに自分がいて、自分の演技では『もうちょっとこうすればよかった』ということはあっても、ナチュラルに心にしみてきました」

――試写をご覧になっていかがでしたか。

本田「ぼんやりとした言い方になってしまいますが、本当に美しい作品でした。撮影しているときにもそういうビジョンはありましたが、仕上がりを見たら余計にそう感じました。物語はすごく前向きで、夢を諦めないことの大切さやいろんなテーマ性はあるのですが、それは岐阜の山や空、川といった美しい風景が背景になって、作品のメッセージを引き立たせてくれていると思います。『空を飛びたい』というテーマと、空の青、空が映った川の青、それと対比で映える緑が美しくて。ロケ地と物語の相性が抜群によかったですね」

小林「東京で撮っていたら、こんな雰囲気になっていなかったと思う。街が悪いとかではなくて、岐阜がそうさせていたんです」

――岐阜ではエキストラの皆さんも撮影に参加されたとうかがいました。

本田「募集して映画に参加してくれました。撮影中の朝ご飯は地元のお母さんたちが作ってくれたり、本当に地域密着。僕らも密着しているけど、地域側もこの作品に密着してくださっていました。あの町じゃないと成立していなかったよね」

小林「撮影の途中で、転々とカフェにも行っていたんですけど、そこにも『ブルーヘブンを君に』のポスターが貼ってあるんですよ。『あれ？出てるの？』って言ってくれて、みんな知ってくれていました」