グラビア女王が女優の道を選んだワケ 柳ゆり菜が明かす映画と家族「仕事で救われた」
あふれる映画愛「私にとっては不要不急じゃない」「心の薬にもなる」
――映画の公開直前イベントでは「映画はつながり」とお話されていましたが、柳さんにとってはご家族とのつながりでもあるんですね。
「そうなんです。映画って1人で見たときでさえ、誰かのことを思ったり、“あの時”のことを思ったりする。それって絶対につながりで。今の時代、人との距離を取らないといけない中で、映画はつながりを得られる手段の1つになると思います。
映画館が休業になったり、映画を作れない環境になるのは、私にとっては不要不急じゃないような気がしてしまいます。映画は心の薬にもなるから、もっともっとすてきな映画を作れる環境になって、いろんな人に興味を持ってもらいたいですね」
――これまでさまざまな作品に出演されてきましたが、今後挑戦してみたい役はありますか。
「お母さんの役ですね。これまではちょっとクセが強かったり、エキセントリックな役を好みがちで、その面白さや生きづらい人たちを描くものに出ることにはすごく意味があるんですけど、もっと身近にある幸せを拾うような作品や、身近な問題を扱っている作品に出ていけたらいいですね」
――今作ではそういった身近な幸せも多く描かれていますね。1番の見どころはどんなところでしょうか。
「由紀さおりさん演じる冬子さんです。由紀さんの今まで積み重ねてきた人生の素晴らしさが映画にのっている感じがして、由紀さんだからこそのいい“うまみ”が出ていたと思います。すごくかわいいし、愛おしくなるし、切なくもなるし、勇気ももらえる。1番の見どころは由紀さんだと思います!」
――最後に、作品を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「今だからこそ、見るとぐっとくるものがある作品です。岐阜に住まれている方はもちろん、そうじゃない方も自分の故郷のように感じるような温かさがすごくあります。家族や人生の温かみをちゃんと描きながらも、すごくポップで面白おかしく見られる部分もあります。最近、地元に帰れていない方にも、この作品を見てぜひ帰った気持ちになってほしいです!」
□柳ゆり菜(やなぎ・ゆりな)1994年4月19日、大阪府出身。2014年、映画「うわこい」で映画初出演にして初主演を務め、同年NHK連続テレビ小説「マッサン」でのポスターモデル役で話題に。18年、ヒロインを演じた「純平、考え直せ」がモントリオール世界映画祭に正式出品される。20年公開の映画「無頼」でもヒロインを演じ、現在は映画・ドラマを中心に活躍の場を広げている。