「リコカツ」主演の北川景子、夫婦関係の“変化”を語る 「夫に向き合えず自己嫌悪に陥るときあった」
家庭とも向き合いたいという気持ちにようやくなってきた
――仕事で悩む部分について自身と重なる思いはありましたか?
「結婚するまではまったく悩むことなく仕事だけに生きてきて、それが当たり前だというのもありました。17歳でデビューして逆に休みの期間があったりするとすごく不安で、『1か月も何も演じてないけど大丈夫かな』とか、その間に他の同年代の女優さんが活躍しているのを見ると、こうしていてはいけない、怠けているのかな、とか働かなきゃ、とか“仕事人”みたいでした。29歳で結婚したんですが、結婚した後も、結婚前に決まっていた仕事が2、3年ずっとあって。籍を入れたもののしばらくはあまりスタンスは変わらず働いていて仕事優先という感じだった。ここ数年でしょうかね、子どもがいるので家庭とも向き合いたいという気持ちにようやくなってきました。仕事が命というのがこの世界で生きていく上では当たり前だと思っていて、そこはそんなに悩んでいなくて。夫も忙しかったからお互いの仕事が忙しいことを分かった上で結婚しているとか、そこは干渉しない。やりたい仕事はもちろんお互い反対しないし海外ロケもお互いどうぞ、どうぞ、という感じ。子どもができるまでは同居人という感じでしたね。それも含めて尊重するという形でやってきました。相手がそういう職業だということを含めた結婚だった。10日間ドキュメンタリーの仕事で海外に行ったりとか、あちらもバラエティーで行ったりとか、そこは迷ったことはなかったです」
――撮影中の育児は?
「今回連続ドラマの主演をさせていただいて、この4か月間、家を空ける時間が長かったので育児は自分の親にも相手の親にも協力してもらいました。夫ももちろん、全家族で何とか育児と家庭を回していったというか総出でやった感じだったので、このドラマが終わったらまず家族に『みんなのおかげでやれた。ありがとう』と言いたいな、とずっと思っていました。『負担かけてるな』『我慢させているよな』という4か月だったので、感謝でいっぱいです」」
“そうきたか”と思っていただけるような結末ができた
――最終回の見どころは?
「9話の最後でお互いやり直す、一緒に歩んでいくために自分は変わる、私も変わる、といった2人が結局、本当に変われるのかというところが10話の見どころの一つ。自衛隊は単身赴任されている方も多いと思うんですけど、それができない紘一と仕事を諦められない咲。最後にどう折り合いをつけて、どうやり直すことにするのか、たぶん視聴者の方もそこが気になっているのではと思っています。今まで男女の関係だったり、仕事と家庭の両立をリアルに描いてきたドラマだからこそ、きれいごとで終わらせるのは絶対に良くないって自分たちも分かっていて、こういう終わり方なら、みんなも“あ、そう来たか”って思っていただけるような結末ができたし、そういう脚本をみんなで作ってきたような気がしています。最後の最後まで2人がどうなるのか分からないので、ぜひ楽しみにしていただきたいなと思います」
――最後に改めて撮影を振り返っての感想をお願いします。
「自分自身もけっこう職業モノで、強い女性でバリバリ働きます! みたいなドラマが多かったので、こういうホームドラマは初めてやらせていただけたんじゃないかなと思っています。今回、すごく等身大で人間らしいというか、自然体な役をやらせていただいて、難しかったんですけど、やって良かったなと思う作品になりました。こういう作品で自分自身久々に連ドラ復帰できて、本当に良かった。皆さまに応援していただけたことで『リコカツ』がより成長し、全10話のマラソンを走り切ることができたと思うので、見守ってくださったファンの皆さんには本当に感謝しております。最後までお付き合いいただけたらうれしいです」
◆第10話(最終回)あらすじ
互いの気持ちを確かめ合った咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)は、改めて交際をスタートさせた。大切なマンションを売ったことを後悔する2人のため、貴也(高橋光臣)は買い戻しの交渉を試みる。すると、直接事情を聞きたいと買い主自らマンションにやって来て……。そんななか、咲は3年間のパリ研修の話を受けるかどうか悩んでいた。ようやく手にしたチャンスだが、紘一との新たな生活のことを考えると、なかなか答えを出せない。もし研修を受けるとしたら、連(白洲迅)の新しい小説が完成したあと。時間は迫っていた。一方、パリ研修の話を連から偶然聞かされていた紘一は、咲のためにと悩んだ末に、ある決意を秘めていた。