映画「海辺の彼女たち」、ドイツ日本映画祭で審査員賞 題材に「時に搾取される技能実習生」
現在ポレポレ東中野(東京)ほか全国公開中の「海辺の彼女たち」(藤元明緒監督)が6日、「第21回ニッポン・コネクション」にて「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」を受賞した。
受賞に藤元監督「外国人労働者の方々への関心もさらに高まるのでは」
現在ポレポレ東中野(東京)ほか全国公開中の「海辺の彼女たち」(藤元明緒監督)が6日、「第21回ニッポン・コネクション」にて「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」を受賞した。
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第21回ドイツ日本映画祭「ニッポン・コネクション」は、1日~6日まで開催。昨年に続きオンラインでの開催となり、長編・短編あわせて80本以上の日本映画をビデオ・オン・デマンドで上映された。
「海辺の彼女たち」が出品された「ニッポン・ヴィジョンズ部門」では、才能ある若手監督や実験的アプローチの作品など、短編を含む多種多様な17作品がノミネートされ、その中から日本映像翻訳アカデミー(JVTA)の後援による「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」を選出。藤元監督が本映画祭に参加するのは、前作「僕の帰る場所」に続き2回目となる。
6日午後11時(日本時間)よりオンライン上で行われた授賞式には、藤元監督と渡邉一孝プロデューサーが参加。審査員一同による受賞理由と、藤元監督による受賞コメントは下記の通り。
○ニッポン・コネクション ニッポン・ヴィジョンズ部門 審査員一同
「時に搾取される技能実習生という題材を背景に、ドキュメンタリーの技術を駆使して、登場人物の時間を追体験するようにとらえ、映画的で美しい風景と役者たちの素晴らしい演技、また登場人物たちへの共感と繊細さを持ちあわせていました。この賞が、監督を激励し、今回のように社会にとって重要な題材を捉えた作品作りにつながることを願っています」
○藤元監督
「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞をいただき、ありがとうございます。こういった賞をいただくことによって、映画への注目が高まれば、僕らが撮った題材である外国人労働者の方々への関心もさらに高まるのではないかと思っています。今後も、日本において外国人の方々がどのように暮らしているか、日常から生み出されるドラマを、引き続き作っていきたいと考えています。
もう1つ、東南アジアにおけるかつての戦争体験の声というのは日本に住んでいるとなかなか届かないと思うので、そうした戦争についての物語も、これから映画で表現していきたいと思っています。3回目こそはかならずドイツに行くので、楽しみにしていてください。今日はありがとうございました」
なお、緊急事態宣言下の5月1日に初日を迎えたポレポレ東中野では、感染対策を講じながら、初日から16日間連日チケットが完売、すでに1か月たった現在も土日の回については完売となる盛況ぶりが続き、あらためて7月9日までのロングラン上映が決定している。(7月10日以降の上映については未定)