韓国・ソウル市内に新たに誕生したK-POPの聖地「HYBE INSIGHT」（ハイブ・インサイト）が連日ファンでにぎわっている。BTSの所属事務所「HYBE」（旧：Big Hitエンターテインメント）がファンに向けてオープンした“音楽ミュージアム”のようなスペースで、BTSだけでなくSEVENTEEN、NU’EST、TOMORROW X TOGETHER、ENHYPENなど同社所属アーティストが直接関わった「音楽や作品を五感で体験できる複合文化空間」となっている。

「HYBE」は社屋を江南（カンナム）から龍山（ヨンサン）に移転。地上19階、地下7階の新築ビル1棟を借り上げている。そのうち地下1階と同2階を「HYBE INSIGHT」として運営し、ファンにさまざまな体験を提供する共有スペースにした。

「INSIGHT」の入口は地下2階。こちらのスペースではHYBEの音楽を「音」「ダンス」「ストーリー」という3つのキーワードで説明した芸術的なパフォーマンス映像が楽しめる。いずれも「INSIGHT」のために撮影された新ダンスで、同所だけで見ることができる。アーティストの栄光の歴史を体感できるトロフィーウォールは圧巻だ。BTSが実際にステージで披露した衣装やマイク、イヤホンなども展示されている。

　地下1階に移動すると、振動や香りなどを使って音楽を体験するインスピレーション空間が待っている。音楽の力に関するアーティストのインタビュー映像が観賞できる映画館「ミュージックイズマイライフ（Music is My Life）」や台湾出身の世界的ビジュアルアーティスト・ジェームス・ジーンがBTSをモチーフにして制作した作品も見どころだ。

　入場には事前にオンラインで予約券（2万2000ウォン、約2170円）の購入が必要。フォト付き入場券は2万5000ウォン（約2470円）で好きなアーティストの写真が選べる。オープン当初から盛況でチケット売り切れ状態が続いていた「INSIGHT」。キャンセルが出るのを待っていたソウル在住の女性BTSファンは6月に入ってやっと念願の入場を果たした。感想をたずねると「等身大のBTSが踊る大きなスクリーンと、ディズニーランドのアトラクションのような“360度スクリーン”がある部屋はすごい」と楽しんだ様子だった。

　開館は火曜日から日曜日。新型コロナウイルス感染症対策として午前11時から午後9時まで20回に分けて入場。1回50人で1日の入場可能者数は計1000人に限定されている。