【欧州車紀行】コロナ明けたらどこ旅しよう!? 海外もツアーより自由な運転旅行もアリ!

ロンドン市内の風景【写真:ENCOUNT編集部】
ロンドン市内の風景【写真:ENCOUNT編集部】

運転歴は短くても「なんとかなるさ」精神でGO!

 免許を取ったのは30歳を過ぎてからと遅かった。運転歴は6、7年。乗っていたのは、50万円で買った中古のブルーバードだった。しかし仕事柄、普段は酔っぱらって帰宅するので、週末、月に1、2回もハンドルを握ればいい方で、バッテリーがあがるのを何度も経験していた。海外どころか、国内の運転もどうかなという、怪しいレベル。しかも、助手席に乗るゆっちゃんは自転車しか乗れない。スペアなしの車旅というわけだ。大丈夫かな? ちょっと不安。

 ところが、僕は後ろ向きが嫌い、前を向いて何事もいいように解釈し、新しいことをやりたいという生来の困った性格ゆえ、向こう見ずを、それまでに何度もやらかしている。車旅も「なんとかなるさ」と普通の人なら尻込みするハードルを、このときヒョイと越えてしまった。この性格は短所か、長所か。唯一の安心材料はイギリスなら日本と同じ右ハンドル、左側走行くらいだったように思う。

海外での初めての車旅に大満足

 99年のイギリス車旅はどうだったか。リバプールで観戦したのは、リバプールとベッカムが所属するマンチェスター・ユナイテッドのダービーマッチ(強豪、名門、同じ地域のライバルなどがぶつかる試合)。“野うさぎ”オーウェンは見られたが、ウィンダミアではトラブルに見舞われ、ピーターラビット・ミュージアムは見られないという残念な結末だった。結果的にイギリスの“うさぎ旅”は1勝1敗に終わった。

 しかし、初めての海外での車の運転はハイスピードでスリル満点、でも快適、ハンドルを握るのが楽しかった。絵描きのゆっちゃんにとっては時間に縛られず、狭い路地裏にも、誰もいない湖畔にも、細い一本道の田舎にも、好きな場所に行くことができ、絵のモチーフだらけの至福の旅になった。これに味をしめ、以後、僕たち夫婦は「来年はどこに行こうか……」と車旅を続けるようになった。あわや事故、いきなり竜巻、ガス欠、パンク……想像を超えるトラブルの連続だったけれど。

 まずは、最新の車旅をコロナ禍前、19年のフランス編から――。

プロフィール

□峯田淳(みねた・あつし)1959年、山形県生まれ。埼玉大学教養学部卒。フリーランスを経て、89年、夕刊紙「日刊ゲンダイ」入社。芸能と公営競技の担当を兼任。芸能文化編集部長を経て編集委員。19年に退社しフリーに。著書に「日刊ゲンダイ」での連載をまとめた「おふくろメシ」(編著、TWJ、2017年)、全国の競輪場を回った「令和元年 競輪全43場 旅打ちグルメ放浪記」(徳間書店、2019年)など。

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