【欧州車紀行】コロナ明けたらどこ旅しよう!? 海外もツアーより自由な運転旅行もアリ!
躍動するオーウェンに未来を感じた
決勝トーナメント1回戦。欧州の伝統国イングランド対南米の雄アルゼンチンが激突した。ピッチの上にはイングランド代表のデビッド・ベッカムと18歳の若きFWマイケル・オーウェンの姿があった。
前半16分、ベッカムが自陣からボールを蹴る。これが前線にいたオーウェンに出る。オーウェンはワントラップすると、野山を駆け回るうさぎのような躍動感でDFを1人、2人と交わし、右足でゴールを決めた。ファンが熱狂するワンダーボーイの誕生だった。このオーウェンのゴールでイングランドは2対1でアルゼンチンを逆転する。試合はその後、追いつかれてPK戦に突入、結局、アルゼンチンが勝つのだが、この時からオーウェンを「ラビット君」と呼ぶようになった。
それからオーウェンの姿が目に焼き付いて忘れられない。ゴールの瞬間、「オーウェンは未来だな。未来を感じるとはこういうことなのかな」と思った。
イギリス車旅はこうして決まった
「できれば、この目でオーウェンを見てみたい、サッカーの母国、本場イギリスで……」
そうつぶやくと、絵描きの連れ合いのゆっちゃんがこう言うのだった。
「ついでに湖水地方(ウィンダミア)に行けないかしら。ピーター・ラビットの世界を見てみたいわ」
僕がテレビにかじりついている姿を見て、一緒になってサッカーを楽しんでいたゆっちゃんにサッカーへのアレルギーはない。「オーウェンを見た後で、せっかく行くのだから久しぶりにイギリスを回りたい」……こうして99年秋のイギリス行きが決まった。
オーウェンは名門リバプールのスターだった。リバプールでサッカーを観戦してから北上してウィンダミアへ……。あの頃も湖水地方を回る日本からのツアーはあったが、サッカー観戦と組み合わせたツアーは探してもなかった。
「じゃ、自分で車を運転して行くしかないか」
こうして車で旅することになった。