マスクマンレスラー「イザナギ」の素敵な素顔 悪酔いした女性を気功で介抱
全日本プロレス「PURPLE HAZE(パープル ヘイズ)」の参謀・イザナギ。デビュー20周年を迎えたベテラン選手で、ゼウスとアジアタッグ王座を保持し、ジュニア戦線でも活躍している。
毎週金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」
全日本プロレス「PURPLE HAZE(パープル ヘイズ)」の参謀・イザナギ。デビュー20周年を迎えたベテラン選手で、ゼウスとアジアタッグ王座を保持し、ジュニア戦線でも活躍している。
2021Jr. BATTLE OF GLORY(6・2、3 東京・新木場大会)でも優勝こそ逃したが、1回戦でクセ者バラモンケイを仙人の首固めで退けるなど、存在感を示した。
その正体は不明とされているが、大阪プロレスのタイガースマスク時代から変幻自在の技巧派として暴れまわり、最近では「いぶし銀」という言葉がピッタリとはまってきた。
いろいろなマスクをかぶってきたが、「マスクマンはモテるんですよ。大阪の時が一番モテましたね」と笑う。
かぶっている時に、うっかり本名で呼びかけてしまったことがある。知らん顔で通り過ぎていった。マスクの下の表情を読み取れなかったが、立ち止まることもなくスルーだった。
後日、素顔の時に「すいません。マスクマンは正体不明なので、本名で呼ばれても返事できないんです」と、こちらのマナー違反なのに、ちょっと申し訳なさそうに言われた。長いマスクマン生活で培われた、徹底したプロ根性はさすがだ。
リングを離れても、いろんな団体を経験しているそのファイト同様、豊富な話題で飽きさせない。新型コロナウイルス禍に陥る前のある飲み会で、楽しかったからか参加者の女性がつい飲み過ぎてしまい、帰り道、気分が悪くなってしまった。
ダッシュで、ミネラルウォーターを買って来てくれた素顔のイザナギ。素早い対応には頭が下がったが「そんなん、気にせんでええって」と関西弁でサラリ。
お水を飲んでも、ふらついて危ないので電車に乗れず、コーヒーショップのテラス席で一休み。翌日も地方で試合があるのに「途中まで一緒だし、心配だから」と介抱にお付き合いしてくれた。
なかなか回復しない女性。顔色悪く、うつらうつらしている。と、その時おもむろに「自分は気功をやっているんですよ」と、カメハメ波のごとく、気を送り出した。
正直半信半疑。最初は、場を明るくしようという、それこそ関西人のノリかと思ったが、みるみる彼女の酔いがさめ、正気に戻って来た。
「えー!」と驚きの声をあげてしまった。
トロンとした目も、シャキッ。青ざめた顔色も、赤みがさしてきた。こんなことがあるんだ! 目の前で繰り広げられた気功の神髄に、本当にたまげた。まさに「東洋の神秘」だった。
興味津々といった様子で、成り行きを見守っていた隣席の外国人グループも「ワ~ォ! アメージング!」「オーマイガ―!」などと大騒ぎ。子どもは興奮してピョンピョン飛び跳ねる。
イザナギの本領がリング外でも披露された。本人のけがも病気も、これで治しているのだろうか? いや、「気」で相手を倒せるのでは?
軽妙な語り口で、おチャラケたイメージもあるイザナギだが、それは照れ隠し。根は律儀で、とても真面目だ。
今後ともベテランの技を披露し、気功にもさらに磨きをかけて極めてほしい。