津田寛治、中村梅雀の演技に「泣かないはずの映画で涙が…」 主演男優賞W受賞

第30回日本映画批評家大賞授賞式が31日、東京・新宿文化センターで行われ、「山中静夫氏の尊厳死」から俳優の中村梅雀と津田寛治が主演男優賞をダブル受賞した。

授賞式に出席した津田寛治(左)と中村梅雀【写真:ENCOUNT編集部】
授賞式に出席した津田寛治(左)と中村梅雀【写真:ENCOUNT編集部】

中村演じる末期がん患者と津田演じる医師の交流を描いた意欲作

 第30回日本映画批評家大賞授賞式が31日、東京・新宿文化センターで行われ、「山中静夫氏の尊厳死」から俳優の中村梅雀と津田寛治が主演男優賞をダブル受賞した。

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 日本映画批評家大賞は、映画界を励ます目的のもと、現役の映画批評家が集まって誕生した、批評家による批評家だけの目で選んだ他に類を見ない映画賞。

「山中静夫氏の尊厳死」は、現役医師であり作家の南木佳士による同名小説が原作。長野県佐久市の病院を舞台に、中村演じる末期がん患者と津田演じる医師の交流を通じて、「生と死」の意義を問う作品だ。

 津田は「台本を読んだとき、これは自分のこれまでの芝居じゃできないなと。でも、自分の芝居を壊したいと常々思ってきた。監督から『この映画は誰も泣かないからね』と言われていたのに、私、めったにないんですけど、梅雀さんの演技が始まったら涙が出てしまって。客観性をなくしてどっぷり物語の世界に浸ってしまった。本当の演技をするには何もしないことなんだと気づきました」と役者として新しい境地が開けたことを報告。

 中村は「俳優生活50年で初めての主演。台本を呼んだときに、撮影の3年前に父が肺炎で亡くなって、病床で5か月後の舞台にどうしても出たいと言っていたことをまず思い出した。撮影中にも母が危篤状態で、死が身近にあった。支えてくれた皆さん、津田さんのおかげ。W主演のW受賞で本当によかった」と話した。

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