「ドラゴン桜」が突き付けた“親による子への性差別” 東大女子比率「2割の壁」の現実

“一発逆転下克上ストーリー!”と銘打ったTBS系連続ドラマ「ドラゴン桜」(毎週日曜、午後9時)の第6話が5月30日に放送された。元暴走族の弁護士・桜木建二(阿部寛)が東大専科の生徒のために3日間の合宿を敢行。国語の特別講師として招かれた太宰府治(安田顕)の文章読解指導は大学受験を経験した視聴者にとって、まさに“目からウロコ”だったに違いない。しかし、この回の真のテーマは親による子への“性差別”だ。

話題を集めている阿部寛主演ドラマ「ドラゴン桜」【写真:(C)TBS】
話題を集めている阿部寛主演ドラマ「ドラゴン桜」【写真:(C)TBS】

欧米の超有名大学はほぼ半々 シンガポール国立大学は50対50

“一発逆転下克上ストーリー!”と銘打ったTBS系連続ドラマ「ドラゴン桜」(毎週日曜、午後9時)の第6話が5月30日に放送された。元暴走族の弁護士・桜木建二(阿部寛)が東大専科の生徒のために3日間の合宿を敢行。国語の特別講師として招かれた太宰府治(安田顕)の文章読解指導は大学受験を経験した視聴者にとって、まさに“目からウロコ”だったに違いない。しかし、この回の真のテーマは親による子への“性差別”だ。

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 第6話を振り返る前に、世界の有名大学の学生男女比を見てみよう。英国の高等教育情報誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が昨年9月に発表した「World University Rankings 2021」によると、1位のオックスフォード大学(英国)は女性が46%、2位のスタンフォード大学(米国)は44%、3位のハーバード大学(米国)は49%。アジアを見ると20位の清華大学(中国)は34%、23位の北京大学(中国)は43%、25位のシンガポール国立大学(シンガポール)は50%となっている。

東大の女子学生比率はたった2割

 36位の東京大学(日本)の男女比欄は「n/a」となっているため、東大の公式ホームページで調べたところ、今年度の学部入学者総数は3130人で女子は664人(21.2%)という結果だった。長らく東大の女子学生比率は2割前後で推移しているため、「2割の壁」と呼ばれている。世界標準からすると異様なほど少ないのが実情で、東大には女子がいないサークルや講義が数多く存在するというのもうなずける。

 なぜ東大に女子が少ないのか。その理由の一端が「ドラゴン桜」第6話で示された。龍海学園高校の小杉麻里(志田彩良)は文系成績1位なのに大学受験をしないという。そのかたくなな姿は第1話から何回も描かれておりドラマにとって大きな伏線となっていた。

 娘の大学進学を阻止するため学校に乗り込んできた麻里の父親は、弁護士の水野直美(長澤まさみ)に向かって「女のくせに何が実力ですか」と言い放つ。「性別は関係ないですよね」と諭す水野に「そうやってヒステリックになる」と女性を小バカにする態度を見せて娘の退学を乱暴に通告した。

次のページへ (2/3) 桜木の怒り爆発「娘を優位に立たせたくないだけだ!」
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