【プロレスこの一年 ♯48】飯伏、中嶋、潮崎、鷹木、諏訪間…新人デビューの当たり年となった04年のプロレス

、DDTの後楽園大会でデビューした飯伏幸太(写真は04年11月)【写真:平工幸雄】
、DDTの後楽園大会でデビューした飯伏幸太(写真は04年11月)【写真:平工幸雄】

WJ活動休止で長州はリキプロ設立

 みちのく6・19札幌に参戦の中嶋が、ザ・グレート・サスケを相手にシングルマッチ。しかもサスケを破り、自力初勝利を挙げるビッグサプライズをやってのけた。また、DDT7・1後楽園で飯伏幸太がデビュー。7月4日には闘龍門JAPANが神戸ワールド記念ホールで5周年記念大会を開催。エンディングでウルティモ・ドラゴン校長が団体から離れ全所属選手の卒業が明らかになると、翌日には新体制への移行が発表された。DRAGON GATEとして再出発すると、8月にはフジテレビとのコラボで「お台場毎日プロレス」が開催された。

 NOAHが7月10日、東京ドームに初進出。小橋建太が秋山準を破りGHCヘビー級王座を防衛すれば、GHCタッグ王座戦で三沢光晴と武藤が初対決。金丸義信がライガーを破りGHCジュニアヘビー級王座を奪回した。7月24日にはディファ有明で潮崎豪がデビュー戦を行っている。

 7月14日には、WJが活動休止。長州はリキプロを設立し、8月19日に後楽園で旗揚げ戦にこぎ着けた。元WJ健介&中嶋の“親子タッグ”がみちのくに参戦し、9・10後楽園で新崎人生&U・ドラゴン組から東北タッグ王座を奪取。中嶋は16歳での初戴冠で、この日は藤田勇人(フジタ“Jr”ハヤト)のデビューも発表された。フジタは12・3後楽園、中嶋とのシングルマッチでデビュー戦。また、10月3日にはDRAGON GATEの鷹木信悟がデビュー。10月11日には全日本の諏訪間幸平がプロ初マット、スカウトした馳浩が相手を務めた。

 新日本10・9両国は大荒れ。長州が登場し、永田裕志を「天下を取り損ねた男」と表現し、リングのど真ん中で挑発した。健介は藤田を破りIWGPヘビー級王座を奪回するも、あっけなくも不可解なフィニッシュに北斗がトロフィーを投げつけ、新日本に怒りをぶちまけた。11・13大阪ドームではアントニオ猪木の介入でカードが二転三転するなか、突如ハッスルから小川と川田が参戦し天山&棚橋組を破った。が、ハッスルポーズは新日本が力尽くで阻止に成功。同日開催のZERO-ONE大阪に新日本に出場の蝶野正洋が乱入、長州を襲撃するハプニングが発生した。

 12・12名古屋では、健介が天山に敗れIWGPヘビー級王座から陥落。健介は4日後、DRAGON GATE代々木で丸坊主に……。当時の健介はフロリダ・ブラザーズのケンスキー佐々木として、もうひとつの顔でドラゲーに参戦中。これまでとはまったく異なるコミカルなファイトスタイルにチャレンジし、その中から敗戦チーム髪切り&マスク剥ぎ8人タッグマッチに駆り出されたのだ。この試合で健介はドラゴン・キッドにピンフォールされ、笑顔で潔く丸坊主になった。さまざまな団体で硬軟自在の活躍をしたこの年、健介はプロレス大賞MVPを受賞した。(文中敬称略)

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