池松壮亮×オダギリジョー×石井裕也監督 オール韓国ロケで挑んだ意欲作が完成
石井裕也監督の最新映画「アジアの天使」が7月2日から全国ロードショーとなる。石井監督が、あらためて初心に返り、これまでの経験値に頼らずにオール韓国ロケで挑んだ意欲作。優しさと力強さが調和した人間ドラマであり、“アジアの家族映画”が完成した。
7月2日から全国ロードショー「アジアの天使」
石井裕也監督の最新映画「アジアの天使」が7月2日から全国ロードショーとなる。石井監督が、あらためて初心に返り、これまでの経験値に頼らずにオール韓国ロケで挑んだ意欲作。優しさと力強さが調和した人間ドラマであり、“アジアの家族映画”が完成した。
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「舟を編む」で日本アカデミー賞監督賞を最年少で受賞、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」でアジア・フィルム・アワード、最優秀監督賞を受賞し、そのほかにも「生きちゃった」「茜色に焼かれる」など数々の名作を発表し続けている石井監督の新作だ。
妻を病気で亡くしたシングルファーザーの青木剛とひとり息子の学。そして、ソウルでその日暮らしの生活を送る剛の兄の日本人3人。韓国でタレント活動をしているソルとその兄と妹の韓国人3人――。本作は、それぞれが心に傷を持つ、日本と韓国の家族がソウルで出会い、国を入り交えて新しい家族の形になるさまを描いたロードムービーに仕上がった。
主人公の青木剛を演じたのは、石井監督作品には欠かせない顔である池松壮亮。剛が身を寄せることになる韓国在住の兄には、石井監督演出のテレビドラマ「おかしの家」で主演を務めたオダギリジョー。元アイドルで売れない歌手のソルには、「金子文子と朴烈」で長編映画初主演を飾り、「Our Body」で第23回釜山国際映画祭「今年の俳優賞」を受賞した実力派のチェ・ヒソが繊細に演じている。
このたび、本作の予告編映像が解禁となった。予告編には、心機一転、一人息子を連れて決死の覚悟で韓国にやってきた剛(池松)を「シャレだろ」と一笑に付しながら2人を迎える兄(オダギリ)のやりとりから始まる。韓国語も話せず新天地での生活を不安に思っている剛に兄は「この国で必要な言葉は「メクチュ・チュセヨ」と「サランヘヨ」と説く。そして、あるとき剛は、一人で泣き伏せている韓国の歌手ソル(チェ・ヒソ)と出会い、日本語で励ますが、その善意は伝わらない……。
映像には、本作で本格的な共演を果たす、池松とオダギリのコミカルなやりとりが収められている。
劇中には“ヘンテコな天使”が登場する。剛とソルはお互いに“天使”に会ったことがあるという。その天使は東洋のおじさんのような姿で、人の肩をかむという、一風変わった天使だった。石井監督は、オダギリ主演のテレビドラマ「おかしの家」(2015年10月/TBS系)でも使用していたこの人をかむ天使というキャラクターを本作の2つの家族をつなぐ要素として表現している。天使は一般的に西洋の美しい少年のようなイメージを持つ人が多いが、この“ヘンテコな天使”は「天使というのはこうあるべきだ」という、誰かが勝手に決めた価値観や固定観念にとらわれなくてもいいという作品全体のメタファーになっている。