「早く飲みたい」「五輪のため」 ワクチン大規模接種、取材で見えた人々の事情
新型コロナウイルスの自衛隊大規模接種センターでのワクチン接種が24日、東京と大阪でそれぞれ開始。東京会場では初日のこの日、いち早くワクチンを打とうと多くの高齢者が会場を訪れた。
接種した高齢者のなかでも、新型コロナワクチンに対する考えは人それぞれ
新型コロナウイルスの自衛隊大規模接種センターでのワクチン接種が24日、東京と大阪でそれぞれ開始。東京会場では初日のこの日、いち早くワクチンを打とうと多くの高齢者が会場を訪れた。
副反応の不安から接種を見合わせる人、当分様子をうかがう人もいるなか、この日接種を済ませた江東区在住の60歳の男性は「息子がアメリカにいて、向こうではとっくに接種が終わってると聞いていたので不安はなかった。周りには不安だとか、打ちたくないという人もいるけど、まあ、個人の自由ですから」と話した。一方、豊島区の60代男性は「高齢者から先に打たせてもらってるんだから、接種は国民の義務でしょう」と語った。
台東区から来たという60代の男性は「やっぱり1日も早く日常に戻りたいから。(2回目の接種が済んだら)またなじみの店で飲みたいね。不安だとか渋るのもいるけど、それなら俺が先に受けてくるからと。いつまでも仲間と飲めないのに比べたら、副反応は気にしない」。杉並区の60代の女性は「私は仕事のある若い人が接種を優先されるべきではないかと思う」と話しつつ、「同居する息子から、重症化する私たちの世代が早く受けないと、いつまでも生活は元通りにならないからと言われて。現状若い人は受けられないのだし、それならせめて受けられる人から受けたほうがいいのかなと」と複雑な表情で話した。
開催が間近に迫った東京五輪を楽しむためという声もあった。世田谷区の70代男性は「中止だ中止だって言ってるけど、近頃は中止にすることが目的になってる。開催国としては最大限やれるように準備するのが筋でしょう。自分にできることといったら、まずはワクチンを受けること」と話した。
初日に接種した人のなかでも、ワクチンに対する考えは人それぞれ。大規模接種は望む人にワクチンが行き届くまで、約3か月間実施される。